俺が大学3年、彼女が短大の2年のときの話。
彼女の名前は彩。俺たちはバイト先で知り合った。
俺が大学2年の4月、短大に入学した彩は俺がバイトしていたファミリーレストラン
にバイトの新人としてやってきた。
最初に出会ったときはそれほど意識しなかったが、素直な性格、童顔な顔に似つかわ
しくない身体つきに俺は少しずつ彼女の魅力に惹かれていった。
それから俺たちは週1回は、俺のアパートで抱き合った。
俺は幸せだった。彩への気持ちはまったく薄れることはなかった。
こんな日がずっと続いていくことを疑うことなどなかった。
彩は短大2年になり、就職活動を始めた。
彼女はバイトも入らず、就職活動に打ち込み、6月には見事1部上場企業の
内定を獲得した。
大学3年の就活未経験の俺にはその価値は分からなかったが、相当すごいこと
であると彼女の友達から聞いた。
俺たちは二人で祝杯をあげた。
そのとき、なんとなく彩が少し遠くへ行ってしまった気がしたが、そんなこと
はないと自分に言い聞かせた。
そして事件は8月に起こった。
彩の就職が内定した7月、8月に内定者海外研修旅行があることを聞かされた。
彩は行こうか、行くまいか悩んでいるという。
それは、俺たちが軽井沢へ旅行する日程とダブっていたからだ。
俺は「これからの彩の会社生活にとって大事な研修なんだから、俺に構わず
行ってこいよ!」と精一杯の強がりを言った。
心の中では、行かないでいてくれることを願いながら。
彩は海外研修へ参加することとなった。
参加するのは女性5名に対し、男性20名とのこと。
それを聞いて多少の不安は感じたものの、
「〇〇君(俺)が欲しがってたビトンの財布、お土産に買ってくるね!」
なんて言ってくれるもんだから、不安を打ち消し、笑って見送った。
彩の旅行中、俺は何故か落ち着かなかった。
彩の置いていってくれた研修旅行の日程表に目を通すと
日程の中にSビーチ自由行動に目がいった。
彩はこの日のために水着を買っていた。
その買い物に俺は付き合った。俺は大人しめのワンピースの水着を
勧めたが、店員が今年の流行はビキニですとしきりに大胆なものを
選んで持ってきため、押し切られた形で青白のストライプのビキニ
になった。
ふとビキニを試着したときの彩の姿を思い出した。
そこには、服の上からは想像できない彩の深い胸の谷間があった。
(どっかの歌のフレーズにもあったが・・・・確か1993××)
この姿を20人の同期の男達に見られてしまう・・・・・
とても不安になった。
さらに日程表をみると『ディズニーワールド自由行動』
さらに不安になった。
目を閉じると男達の顔が浮かぶ。
男達は彩のビキニ姿をいやらしい視線で追いかけている。
そんな視線に全く気がつかず、無邪気にはしゃぐ彩。
彩のビキニの深い谷間。おっぱいが柔らかすぎて、走るたびに大きく揺れる。
旅行日程は一週間。その間、男達は彩のそんな姿を見て、我慢できるだろうか。
次に目に浮かんだのは、ホテルの一室。
女二人、男五人が狭いツインベッドの部屋で集まって飲んでいる。
その中に彩がいる。
彩の姿はタンクトップにデニムのミニスカート。
普段はタンクトップ1枚で外出するようなことはない彩だが、海外の
雰囲気がそうさせているのか。
男3人に囲まれて、お酒を勧められている。
彩はお酒に弱い。すぐ赤くなる。
飲んでいるうちにガードがだんだん緩くなり、正面の男からはスカート
の中がチラチラと見えている。
さらに両サイドの男からは胸元を覗かれている。
さらに男の手が彩の胸に・・・・・
そんなことがあるはずない!そんな想像を打ち消しながら、
日々を過ごした。
3日目に彩から国際電話があった。
内容は「早く会いたい!帰ったら直接アパートに行くから、空港に着いたら
電話するね!」という、俺の悶々とした思いを吹き飛ばしてくれるものだった。
それから4日間、長かった。
早く彩を抱きたかった。
彩がアパートにやってきたら、1週間の思いを叩きつけてやる!
と意気込んで興奮している自分がいた。
でも、4日後、その思いは無残にも打ち砕かれた。
彩が帰国する日、俺は落ち着きなくアパートの部屋にいた。
そろそろ到着時刻だ。
到着予定時刻が過ぎて1時間。電話は来ない。
彩の携帯に掛けてみる。つながらない。
「帰国手続きに時間がかかっているんだ」自分に言い聞かせる。
さらに1時間。電話は来ない。
それから40分程経って、電話が鳴った。彩からだ。
慌てて電話を取る俺。
俺「どうした。連絡待ってたぞ!」
彩「ごめん」
俺「今何処にいるんだ」
彩「新宿、今から帰るところ。今日疲れちゃったからそっちに行けない」
俺「いいよ。そりゃ時差もあるから疲れるよね」
彩「ごめんね」
俺「明日は大丈夫なのか」
彩「たぶん。明日学校だから、終わったら連絡するね」
俺「ゆっくり、休めよ!」
落胆した気持ちを押し殺しながら、会話を終えた。
明日会える。それだけが俺の気持ちを奮い立たせた。
いつもの彩と違っていたが、それは旅行疲れのせいだと言い聞かせ、
明日を待った。
そのとき、初めてぼんやりと彩を失うかもしれない恐怖を感じた。
彩の帰国翌日、俺は少しでも気持ちを紛らわそうと久しぶりにサークルに
参加したが、彩のことを思うと集中できず、途中で切り上げアパートに
帰ってきた。
午後3時、そろそろ彩の授業が終わる時間だ。電話を待つ俺。
午後4時、電話は来ない。
午後4時30分、痺れをきらして彩に電話をする。
かなり長いコールのあと、彩が電話に出る。
俺「どうした?」
彩「ごめん。友達とお茶してたら、遅くなっちゃった」
俺「今から、こっちに来れるか」
彩「・・・・・(沈黙の後)今日は外で会いたい」
このとき、俺の中で燻っていた恐怖の炎が大きくなりだした。
俺「分かった。今何処にいるんだ?」
彩「新宿」
俺「じゃあ今から新宿に行くから!5時半にいつものところでな!」
俺は急いで新宿に向かった。
いつもの待ち合わせ場所で彩と会った。
久しぶりの彩はいつもと変わらなかった。
俺は、彩を飲みに誘った。
居酒屋での彩は、いつもより饒舌だった。
話の内容は、楽しかった研修旅行の件がほとんどだったが・・・・・
俺は彩の笑顔を見ながら、話を聞いていると少しほっとしてきた。
彩は何も変わっていない、やっぱり俺の取り越し苦労だったんだと。
居酒屋を出るとき、俺の恐怖の炎はほとんど消えかかっていた。
俺はアパートに帰ろうと彩を誘った。
彩は「もう少し一緒に歩いて酔いをさましたい」と言ったので、
近くの公園に行って、ベンチに腰掛けた。
彩が徐に紙袋を取り出し、俺に渡した。
俺は紙袋を開けてみると、そこにはビトンの財布が入っていた。
彩「はい、おみやげ!」
俺は思わず、彩を抱きしめた。
こんないい子を少しでも疑ってしまったなんて!
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
俺「彩、ごめんな。昨日から彩の様子がおかしかったんで、旅行中に彩に
なにかあったんじゃないかと疑ってた。ほんとにごめん!」
暫し、沈黙。
彩「〇〇君。謝らないで・・・・・」
彩は下を向いてそう答えた。
再び、俺の中の恐怖の炎が燃え上がりだした。
俺は意を決して、彩に話し掛けた。
俺「何かあったのか?」
彩「ごめん」
俺「ごめんじゃ、わからないよ。ちゃんと話をしてくれなきゃ」
彩「・・・・・」
俺「少しは覚悟していたから大丈夫。何聞いても驚かないよ」
彩は旅行中の出来事を少しずつ話はじめた。
ここからは彩から聞いた話ですが、できるだけ事実に基づき、
場面を想像しながら、書きたいと思います。
登場人物
真由(彩と一番仲のいい同期 小林のことが気に入っている)
本田(浪人しているため同期の中で最年長。彩のことを気に入っている)
小林(関西出身。イケメンらしいが口が悪い)
最初の夜の夕飯後、内定者歓迎会のレセプションがあり、
この時に真由と小林は隣になり、真由は小林の関西ノリのテンポのよい
トークとちょっとジャニーズ系な容姿に惹かれ始める。
彩は、部屋に戻ってきてから、真由からそのことを聞いて、なんとか
力になってやりたいと思った。
本田は最年長でもあったせいか、全体のまとめ役で、中心的存在で、
彩も話し掛けやすかったので、本田にそのことを相談した。
彩は、小林が苦手だった。
ビーチでは、平気で「お前、乳でかいな!」なんて面と向かって言われた。
それまでは、自分のビキニ姿をそれほど気になっていなかったが、
小林からそう言われてからは、男性陣の視線が気になりだした。
話をしている間、他の男性は、彩の胸をチラチラ遠慮がちにしか見ないのに
小林だけは、遠慮もせずに覗き込むように見ているので、
「小林君、見すぎです!」って注意したら、
「減るもんやないやろ!お詫びに俺のを見せたるで!」と
自分の海パンを脱ごうとしたりして、彩をからかった。
日程が進むにつれて、真由と小林の仲は良くなっていったような感じだった。
一方、彩も本田の自分への好意も感じ始めていた。
5日目の夜、彩は本田に呼び出された。
薄暗いホテルのロビーのソファーで二人はいろいろな話をした。
1時間くらい経った時、ふと本田が沈黙した。
彩「どうしたの?」本田を覗き込む。
本田はいきなり、彩にキスを迫った。
彩は顔を背け、かろうじて逃れた。
さらに迫ろうとする本田。
彩「本田さん、ダメだよ。私、彼氏いるから!」
本田「そんなの関係ないよ。それでも俺の彩ちゃんへの思いは何も変わらないよ」
本田は彩をソファーに押し倒しながら、強引に唇を奪った。
彩は少し思わせぶりな態度で接した自分も悪いと思い、キスくらいはしかたない
かと我慢した。
本田は彩の抵抗が無くなったことをいいことにTシャツ越しに胸を触り始めた。
彩「それはダメ!」
本田の手が彩のTシャツの中にのびる。
彩は懇親の力で本田を押しのけると一目散に自分の部屋に駆け込んだ。
落ち込んだ。
明日から、本田とどう接すればいいのか。
自分が思わせぶりな態度で接してきたからいけないんだ。
最初から、彼氏がいますとはっきり公表しておくべきだったんだ。
そう思いを巡らせているとドアがノックされた。
まさか、本田では・・・・・
彩「誰?」
「彩、夜遅くごめん。真由です」
真由だった。扉を開ける。そこには泣いている真由が立っていた。
部屋の中へ入れて、話を聞く。
今晩、意を決して小林の部屋へ押しかけて、小林に告白したが、
前の彼女が忘れられないと受け入れてもらえなかったらしい。
落ち着くまで真由の話を聞いてあげた。
彩は自分のことも話をしようかとも思ったのだけど、真由と逆の立場の
話なので、感情を害するのではないかと思い、話すのをやめた。
次の日、彩は憂鬱だった。
朝、本田に明るく「おはよう!」と声をかけたが、本田から無視された。
仕方ないとは思ったものの、研修中気持ちは晴れなかった。
そして、最後の夜のお別れのレセプションが始まった。
賑やかな場の中で、彩はひとりでぼんやりしていた。
なんとなくひとりでいたいという気持ちと寂しさが交錯していた。
そんなとき、後ろから声を掛けられた。
「よっ!ボインちゃん!」
小林だった。
彩「なによ。おっぱい星人!だいたいボインなんて死語でしょ!」
小林「なんか、元気ないじゃん!どうしたんや?」
小林の思いがけないやさしい言葉に我慢していた思いが溢れ出し、
涙が出てきた。
彩は、この場で泣いてちゃいけないと思い。
「小林君、ごめん。ありがとう」と言って立ち上がり、部屋へ向かった。
部屋に戻るとひとしきり泣いた。
暫くして、トントン、部屋をノックする音が聞こえた。
ドアを開ける。そこには小林がワインとグラスを2つ持って立っていた。
小林「何があったか聞かんけど、こんな時はひとりでいるな!
俺がとことん付きあったるから」
そういいながら、持ってきた赤ワインを持ち上げた。
彩「心配かけてごめんね。そうだね、飲もうか」
彩は自然に部屋に小林を招き入れた。
それから、二人はいろんな話で盛り上がった。
あっという間にワインがが1本空いた。
彩と小林、二人ともいい感じで出来上がっていました。
小林「そういえばさっき、お前俺のことおっぱい星人っていいやがったな!
んで、そんなことわかるんかよ!」
「だって、ビーチで私の胸ばかりみてたじゃん!エッチ!」
小林「あんなビキニ着てたら、おっぱい星人じゃなくたって見るよ!」
彩「そうなんだ。じゃあ小林君はおっぱい星人じゃないんだ」
小林「そういうわけじゃないけど」
彩「やっぱり、おっぱい星人なんだ!やーいおっぱい星人!」
小林「彩、元気になったね!よかった」
彩「えっ、ほんとだ。すっかり嫌なこと忘れてた。小林君いい人だね」
小林「元気のない彩は彩じゃないよな。あと、胸の小さい彩も彩じゃない」
彩「ひどいなぁ~。またおっぱいのこと言ってる!」
小林「元気なのもおっぱいも彩の取柄だから」
彩はこの時点で、小林のことが好きになっている自分に気がついた。
彩「小林君も私の胸に興味あるの?」
小林「そりゃそうだろ!今回参加しているやつらでお前の胸に関心の
ないやつなんていねーよ。ビーチの日の夜なんて、お前のおっぱいの
話で男子部屋は持ちきりだったぜ」
彩「他の人のことなんてどうでもいいの!小林君はどうなの?」
小林は無言で彩に唇を重ねる。
それを受け入れる彩。長い時間二人はキスを続けた。
そして、小林はTシャツの中にすばやく手を伸ばし、彩のブラを外した。
ビーチでビキニ越しに視姦した彩のおっぱいがこぼれる。
彩のおっぱいに顔を埋め、下で乳首を転がす。そして下半身へ。
酔っているせいなのか、小林への気持ちなのか彩は異常に感じたらしい。
彩は小林を完全に受け入れた。
西新宿の高層ビル街のベンチ。
俺は、脱力感と少しの興奮の中で、彩の話をじっと聞いていた。
その中で心は決まっていた。
彩と別れようと・・・・・
どうしても彩を許せない自分を消すことはできなかった。
研修旅行の最終日、空港で自由行動が1時間あり、誰にも内緒で
彩と小林は一緒に行動した。
最後の10分、彩は思い切って小林にこれからどうするのかと
聞いた。
お前も彼氏がおるし、俺も前の彼女のことを引きずっている。
お前は東京やし、俺は大阪にもどらなあかん。お互い帰ったら、
もう一回将来のことを真剣に考えようや。そして1ヵ月後また
会おう!」
小林はこう彩に答えたらしい。
再び西新宿の高層ビル街のベンチ。
長い沈黙の後、それをやぶったのは俺だった。
俺「これから、彩はどうしたいの?」
彩「どうしていいか分からないの。私にとってどっちも大事だから」
俺はそんな彩の言葉に少し腹が立ったが、冷静に言葉を選びながら
話をした。
俺「彩の中では小林を受け入れた時点で結論はでているんだと思う。
これから小林とお付き合い始めるのかどうかは知らんけど、きちんと
俺とのケジメをつけて、がんばんな!」
泣き出す彩。
泣きたいのは俺のほうだった。でもここで泣くのは俺のプライドが
許さなかった。
もっと取り乱すかもしれないと思っていたが、意外に冷静な俺がいた。
泣き止まない彩の手をとり、タクシーを拾った。
タクシーで自分のアパートまで、彩を連れて行った。
最後と思い部屋で彩を抱いた。最後の思いを彩にたたきつけた。
彩も最後と思ったのか、素直に俺のことを受け入れた。
最終電車に乗るため、最寄の駅まで彩を送っていった。
駅までの道、二人とも無言で歩いた。
最後に乗るときに彩が「また電話してもいい?」と聞いたが
俺は答えなかった。
>たくさんのご意見ありがとう。
寝取られの話は781で終わりのつもりでした。
これからのつづきはあるのですが、スレ違いになると思いましたので。
正直、自分なりにケジメをつけたつもりでしたが、この後、彩のことを思い出す
度に地獄の苦しみを味わいました。
バイト先では、すれ違いでほとんど会うことはなかったのですが、
他のメンバーから彩の話が出ると胸が苦しくなりました。
ほんとに辛かったのを思い出します。
皆さんのご指摘のとおり、彩は現在の妻です。
それからいろいろなことがありましたが、6年後結婚しました。
笑えますよね。人生ってそんなものです。
>皆さん、支援ありがとう。
別れた後のことも他のスレを邪魔しないように少しずつ書いていこうと思います。
ただ、あんまりエッチなシーンが期待できないので、そのところをご了承ください。
彩と別れた次の日から、俺にとって地獄の日々が始まった。
女々しいのだが、彩から貰ったものなど思い出のあるものを見るたびに苦しくなった。
彩と寝たベッドもシーツ、布団カバーとも新しいものに変えた。
それでも、一人で部屋にいるときは彩のことを考えて苦しんだ。
友達に話をすると「時が解決してくれるよ!」と気軽に慰めてくれたが、
いったいどれくらい待てばいいんだよ!・・・・・と思った。
彩とは、その時期は時間帯がずれていたので、バイト先でもほとんど会う
ことが無かった。
一度、控え室で、帰るところの彩にばったり会った。
久しぶりに見る彩は前より可愛く見えた。
もう、その小さな唇もそのやわらかい胸も自分のものではないんだ。
そう思うと胸が苦しくなった。
俺「元気か?」
彩「うん」
この会話が俺の限界だった。
その日バイトが終わって、着替えているとポケットに手紙が入っていた。
彩からだ。内容はこんな感じだったと思う。
私の我儘でこんな別れ方になってしまってごめんなさい。
さっき、久しぶりに会ってうれしかった。
私、今でも〇〇君(俺)のことが好きです。
来週、大阪に行って来ます。
そして、自分の気持ちにケジメをつけるつもりです。
この前言えなかったけど、今まで本当にありがとう。
正直、腹が立ちました。
必死に気持ちの整理をつけようと苦しんでいる俺にこんな手紙を書くか。
「大阪へ行って来ます」
このフレーズがさらに俺を苦しめた。
何しに行くのか!小林に抱かれに行くのか!
もう、これ以上俺の気持ちを乱さないでくれ!
何日か経って、バイト先でスケジュール表を見てみると
3日間くらい彩のスケジュールが空欄になっていた。
マネージャーに軽く、「彩入ってないんだ?」と聞くと、
「なんか、大阪に旅行に行くから、その日は入れないで!と言ってたよ」
と教えてくれた。
やっぱり、大阪に行ったんだ。
彩が大阪へ行ったと聞いた日の夜、俺は悶々としていました。
目を閉じると会ってもいない小林の顔が浮かぶ。
ホテルの一室、抱き合う二人・・・・・
胸は苦しかったが、少しだけ興奮した。
彩が俺以外の男のものを口に含んでいる。
俺以外の男のものを受け入れている。
そう思うと興奮して、股間が熱くなったのを憶えている。
そのころから俺は寝取られフェチだったかもしれない。
それから5日くらい経って、バイト先で彩と会った。
バイト中だったので、言葉は交わさなかったが、なんとなく元気がなかった。
彩の俺を見る目が悲しそうな気がした。
何か一言でも話し掛けようと思ったが、言葉が見つからなかった。
大阪はどうだったんだろうか。
気にするまいと心の隅に追いやっていたことが嫌がおうにも気になりだした。
その夜、彩の短大の友人から電話があった。
その内容は以下のようなものだった。
大阪から戻ってから、彩はひどく落ち込んでいるらしい。
大阪で会った小林は、研修旅行のときの小林ではなかったらしい。
今、彩を慰められるのは〇〇君(俺)だけだから、彩に電話してあげて!
正直、ふざけるな!と思った。
小林からどのような仕打ちを受けたのかは知らんが、自業自得じゃん!
ここ1ヶ月の俺の苦しみに比べれば、彩の苦しみなんてたかが知れてる。
「わかった」と言って電話を切ったが、掛けるつもりなんて
毛頭無かった。
小林に対する怒りもあった。俺の彩をたぶらかしやがって。
彩に対する怒りもあった。見る目なく小林みたいな男にだまされやがって。
怒りの次に悔しさが込み上げてきた。
そんな男のために俺は彩に「がんばれ!」なんてカッコいい言葉吐いて、
道を譲ってしまったのかと。
次の日、彩からの着信があったがでなかった。
なんて会話すればいいのかわからなかったから・・・・・
自分の気持ちがどうしたいのかも整理できていなかった。
愛しい気持ちと憎い気持ちが半々くらいだったかな。
2日後、バイト先で彩に会った。
彩は10時上がりで俺は9時入り12時上がりだった。
重なった1時間は忙しくて、目を合わす暇もなかった。
10時15分くらいになっても店は満員状態だったが、彩に
「××さん(彩のこと)上がってください!」と声を掛けた。
当時、バイト先では俺は夜間のキャップだった。
彩「私、まだ時間大丈夫だから、延長しますよ」
俺「ごめん、頼むね。11時までいい?」
彩「はい、了解です!」
こんな会話だったと思うが、久しぶりに彩と話した充実感があった。
11時になるとだいぶ客も引けたので、彩に上がってもらった。
俺「お疲れ様!今日はありがとね」
彩「お疲れ様でした。〇〇さん、ラストまで頑張ってくださいね」
俺「おう!」
俺は控え室へ向かう彩に何か声をかけたかったが、言葉にならなかった。
不思議と心が穏やかな自分を感じていた。
バイトが終わって、着替えていると上着のポケットに手紙が入っていた。
俺は手紙が入っていることを期待していたと思う。
彩からだった。
「バイトお疲れ様です。終電まで時間があるので、△△で待ってます」
△△は、前にバイト後に二人でよく行ったバーだ。
12時15分。彩の最終は12時50分だからまだ間に合う。
俺は△△まで走った。
店のカウンターに彩はいた。
久しぶりの彩の私服。店の照明のせいか、以前より大人っぽく見えた。
相変わらずのスタイル。長袖の白いTシャツを押し上げた胸。
少しドキドキした。
俺は黙って、彩の隣に座った。生ビールを頼む。
彩「来てくれてありがとう。来てくれないかもと思ってた」
俺「今日はバイト遅くまでありがとう。ほんと助かった」
彩「ほんと今日は大変だったね」
当り障りの無い話が続く。
限られた時間であることを思い出し、思い切って話題を変えた。
俺「今日はどうした?何かあったか?」
彩「・・・・・」
俺「美里(彩の友達)がなんか彩落ち込んでいるみたいって言ってたよ」
彩(ぼそぼそと)「実は大阪行ってきたんだ」
また、胸が苦しくなった。
聞きたくないけど、聞きたかった。
俺「どうだったの?」
彩は少しずつ大阪のことを話し出した。
1週間ほど前に遡る。
彩は新大阪の駅にいた。小林が迎えに来る。
1ヶ月ぶりの再会に彩は少しだけ胸が躍った。
迎えに来たのは小林だけでなかった。もう一人の同期、中村も一緒だった。
彩は中村のことは余りよく知らなかった。
旅行中もほとんど一緒に行動することはなかったし、飲み会等でもほとんど
話をしたことが無かった。
彩は、小林一人ではないことに少し落胆していた。
小林と中村は大阪が初めてという彩をいろいろなところに連れて行って
くれた。あまり憶えていないが、道頓堀とか通天閣とか行ったんだと思う。
夕食は3人でお好み焼きを食べながら、飲んだそうだ。
彩は小林と二人で話したかったが、中村は帰る様子は無い。
小林の会話は当り障りの無い話ばかりだった。
だ気になったのは中村の彩を見る目が少しいやらしい感じがしたこと。
その日の彩の服装は、少し大胆だった。
Vネックの白のサマーセーターに少し短めの黒のミニスカート。
服の上からも彩のスタイルの良さが十分うかがえる服装だった。
何度か、彩の胸元を舐めまわすように見ている中村と視線が合った。
中村はその度に視線を不自然に宙に彷徨わせた。
食事をしながら、これからどうするかという話になった。
彩は次の日の朝すぐ東京に帰れるように新大阪のホテルを予約していた。
「俺んちこっからそんなに遠くないから、俺んちで飲み直すか」
と小林が提案した。
彩は小林の家に行くことに若干の不安を感じた。
今回大阪へ来たのは、自分の気持ちと小林の気持ちを確かめることが目的
なのだ。小林とは今回は深い関係になってはいけない。
そう思って、先にホテルの予約もしたのだ。
小林の家に行って、自分を失わずにいられるだろうか。
そんな思いが彩の頭を駆け巡った。
そんな彩を見透かすように
「俺んち彩のホテルとの間にあるから、後で車で送っていったるから」
「それに中村も一緒や」と小林。
彩はほっとすると同時にまた中村が一緒であることに若干の苛立ちを感じた。
未だ目的を果たさずして、東京に帰るわけにもいかない。
彩は小林の提案に従った。
三人は途中のコンビニでお酒とおつまみを買い小林の家に向かった。
大阪の小林のマンション。
と小林と中村の3人がワインを飲みながら、雑談している。
畳のワンルームだが、ものが多いせいかとても狭く感じる。
は小林と二人で話をし、小林の気持ちを確かめたかったが、
村は帰る素振りどころか、今日は小林の部屋に泊まるつもりでいるようだ。
彩と中村が隣りあわせで床に座り、小林はベッドに腰掛けている。
時折、話をしながら中村が身体を密着させてくるのが気になった。
小林「そう言えば、この間の旅行の写真できあがっているけど見る?」
彩、中村「見る見る!」
小林、30枚くらいの写真を分けて二人に渡す。
写真を見ながら、旅行の思い出話で盛り上がる。
「おおっ!」中村の写真を捲る手が止まる。
その写真を覗き込む彩。そこには白とブルーのストライプのビキニを着た
彩が写っている。
中村「彩ちゃんのおっぱいでかいよな」
彩「やめてよ!」中村から写真を取り上げようとするが、中村が仰け反り
ながら手を上げてかわす。そのとき彩の胸が中村の肘に触れた。
中村「おおっすげ-弾力!」
彩は思わず自分の胸を押さえる。
中村「ビーチじゃ、彩ちゃんのおっぱいの話題でもちきりだったよな」
彩「もーやめてよ」
中村「小林、俺にもこの写真焼きまわししてくれ!ネタにするから」
彩は嫌がったが、結局その写真は中村が持ち帰ることになった。
そんな感じで時間も進み、ワインボトルの2本目が空いた。
彩も小林もそれほど飲んではなく、ほとんど中村が飲んでおり、
中村はほぼ出来上がっている状態だった。
このころから中村は露骨に彩に密着してきた。
肩越しに彩のVネックのセーターの胸元を覗き込む中村。
中村「俺も彩ちゃんのおっぱい見たいな~」
酔っ払って呂律の回らない口調。
彩「えっ?」
中村「小林!お前一人で彩ちゃんを独占するなんてずるいぞ!」
小林の方を見る彩。苦笑いしている小林。
中村「彩ちゃん、小林とやっちゃったんだって?」
彩「・・・・・」
酔っ払って呂律の回らなくなった中村はさらに彩に絡んでくる。
中村「彩ちゃん、小林とのエッチどうだった?」
彩「・・・・・」
中村(彩のビキニの写真を見ながら)
「この中身を小林が知ってるなんて、悔しい!エッチな身体だよな」
突然、中村が彩の胸を服の上から触った。
彩「いやっ!」
両手で中村の手を払いのけ、胸を隠す。
中村「おっ、柔らけ~」
小林「中村、やめとけ!」
小林が彩と中村の間に割って入る。
小林「彩ちゃんごめん。こいつ酔っ払ってるだけだから」
小林は酔っ払った中村をベットに寝かしつける。
中村はすぐに大人しくなり、スース-と寝息を立て始めた。
彩「中村君に話したの?」
小林「悪りぃ。うれしくて、つい中村に話しちまったんだ」
彩「深くまで話さなくてもいいのに・・・・・」
小林「中村がねほりはほり聞いてくるんでつい」
彩「やだなっもう」
小林「実は中村さぁ、彩のこと好きだったんだよ」
彩「えっ?」
小林「今日も彩が東京から来る話をしたら、会わせろってきかなかったんだ」
彩「でも私、中村君のことは・・・・・」
小林「悪りぃ、こんな話するつもりはなかったんや」
彩「・・・・・」
暫し沈黙。
小林「やっと二人きりになったな」
彩の側に座る小林。キスをしようとする。
拒む彩。
小林「どうした?俺に会いにきてくれたんやろ?」
再びキスをしようとする。
今度は抵抗しない。
彩「・・・・・(何か違う)」
小林、彩の胸を触る。無抵抗の彩。
彩「・・・・・(何か違う)」
彩の胸を触る小林の手がだんだん激しくなる。
小林、彩のサマーセーターを捲り上げる。
黄色いフルカップのブラに包まれた彩の豊満な胸が顔を出した。
彩(セーターを押さえながら)
「やめて、中村君が起きるでしょ!」
小林(ブラ越しに胸をさわりながら)
「あんだけ、しこたま飲みよったら起きやせんよ!」
小林、ブラの上から乳首の位置あたりを執拗に攻める。
彩「やだっ」
小林、彩のブラを上にずらそうとするが、彩の胸が大きくてずれない。
彩「中村君が起きちゃうよ!」
小林、無言で彩の背中に手を回し、ブラのホックを外す。
ブラの下から、彩の豊満なおっぱいと少し大きめの薄いピンクの乳輪が
顔を出した。
小林「相変わらず、エッチなおっぱいやな」
彩「そんなこと言わないで」
さらに小林は彩のスカートの中に手を入れ、下半身を弄る。
彩は中村がいることが気になっていた。
ベットで寝ている中村の身体の向きがさっきまでは背中を向けていたのに、
こっち向きに変わっている。
小林「濡れてるやないか。彩はエッチやな」
彩「・・・・・(何か違う)」
小林(おっぱいを寝ている中村に見せつけるように持ち上げながら)
「これが中村が見たがっていた彩のエッチなおっぱいや」
その言葉に寝ているはずの中村が反応した気がした。
さらに小林の執拗な彩への攻撃は進む。
彩も徐々に感じ始め、自分を失いつつあった。
ふと中村の方に目をやると、中村の目が微かに開いていた。
中村に見られている。
「やだっ」彩は小林から離れた。
彩「そんなんじゃない!」
小林と距離を置いて、捲れあがったブラとセーターを整える。
「そんなつもりで来たんじゃない!」彩は立ち上がった。
小林「急にどうしたんや?」
彩「小林君、私のこと好きと思えないよ」
小林「そんなことないよ。彩ちゃんのこと好きだよ」
彩「私こと大事に思うなら、旅行のときのこと人に話したり、私のこと人に見せつけたりしないよね」
小林「それは、彩が魅力的だから・・・・・」
小林は彩に近づき、唇を奪おうとする。
彩「もう、やめて!」
強引に抱きしめようとする小林を全力で突き放した。
彩「私が大阪に来たのは、自分にけじめをつけたかったから」
小林「けじめ?」
彩「久しぶりに会えてうれしかった。本当は今日で小林君とは前のように
普通の同期に戻ろうと思っていたのだけど、小林君に会うとその気持ちが
揺らいでしまったの。でも小林君の気持ちが私に無いことがわかったから」
小林「・・・・・」
寝たふりをしていた中村が起きてきた。
中村「小林も悩んでるんだ。彩ちゃんのことが好きだけど、前の彼女のことが忘れられないから」
彩「わかった。もういいの。私、彼に小林君のこと話したら、彼に
ふられちゃったの」
小林「えっ」
彩「自業自得だね」
小林「なんで話したんや」
彩「なんでかな。彼に嘘がつけなかったの」
中村「小林と彼とどっちが好きなん?」
彩「今でもわからないの。でも東京に戻ったら、彼に許してもらうようがんばろうと思う」
小林「そうか・・・・・」
暫く三人とも言葉を発しなかった。
彩「ホテルに帰るね」
立ち上がる彩。
最寄の駅まで小林が送った。
駅までの道、二人は無言で歩いた。
改札口で二人は握手をして別れた。
東京のショットバーのカウンター。
俺と彩が並んで座っている。
時間は既に夜中の2時を回っていた。
電車の最終の時間はとっくに過ぎている。
彩は真剣に大阪のできごとを俺に話してくれた。
聞いているのが苦しかった。最初は話すのをやめさせようとも思った。
ところが、聞いているうちに俺の中である感情が芽生えてきていのに気づいた。
俺は若干興奮していた。
彩のビキニ姿。何人の男がその中身を想像しただろうか。
そして彩のエッチな身体は二人の男に見られてしまった。
小林はどのように彩の豊満な胸を揉みしだいたのだろうか。
彩は濡れていたのか。
彩は深い関係にはならなかったと話したが、本当は最後までいったのでは
ないのか。
二人の男と、しかも一人は既に関係がある男と密室で飲んでいて、それだけ
で終わるのか。
信じてと言われても信じることができるか!
前科ものの言うことを。
話が全て終わったとき、俺の心の中は、苦しさより興奮のほうが多くを
占めていた。
彩をあらためて眺める。
白いTシャツ越しに胸のふくらみが見える。
細いウエスト。ジーンズに包まれたお尻。
久しぶりに彩を抱きたい!そう思った。
俺は勘定を済ませて外にでると、彩の手を取りタクシーに乗った。
俺「〇〇まで」
自分のアパートを告げながら、繋いでいる彩の手を強く握った。
彩はだまっていた。俺はそれをOKだと思った。
アパートに着く。彩は俺に導かれるまま、部屋に入った。
部屋に入ると俺は黙って彩を抱き寄せた。
ゆっくりとキスをする。
『この唇は俺だけのものではなくなったんだ』そう思いながら。
少し荒々しく彩の長袖の白いTシャツを脱がし、力任せに白いブラを
上にずらす。彩の豊満な乳房がぷるんと下から顔を出す。
色素の薄い大きめの乳輪。その中心に上を向いた乳首が自己主張して
いる。
『相変わらず、エッチなおっぱいだ。このおっぱいを俺以外の男にもて
遊ばれやがって!』
そう思いながら、俺は彩の乳房を激しく掴んだ。
そう考えるだけで異様に興奮している俺がいる。
俺はその時点で自分の欲求を満たすことしか考えていなかったと思う。
そして、彩のジーンズのベルトを外し、チャックを下げるとそこからパンティの中に強引に手をねじ込む。
そこはしっとりと濡れていた。
『エッチな女だ。小林から攻められた時もこのようにぬらしてたんだろ!
そして小林のものを受け入れたんだろ!』
俺は愛撫もそこそこに彩のジーンズを脱がし、薄いピンクのパンティを
ずらすと自分のものを挿入した。
普段はほとんど正常位しかやらない俺が、その日はバック、貴上位など
自分の知識と経験の全てを彩に叩きつけた。
貴上位の最中、腰を動かす彩の胸を下から触りながら、小林と彩のセックスのことを考えている自分がいた。
その時の彩への気持ちは愛情ではなく嫉妬と復讐の念だった思う。
それは彩へ向けたものなのか、寝取られた俺自身に向けたものなのかわからなかったが・・・・・
全てが終わると彩はうつ伏せのまま動かなくなった。
俺も仰向けのまま呼吸を整えながら、静かに目を閉じていた。
暫くして、彩のすすり泣く声が聞こえた。
俺「彩、泣いているのか?」
彩「ごめんね」
俺「なんで泣くの?」
彩「ごめんね」
彩は『ごめんね』を繰り返した。
俺「いいから、今日は寝ろ!」
忙しかったバイトの疲れ、セックスの疲れの中、いつの間にか眠っていた。
次の日、目覚めるとお昼近かった。
彩はもういなかった。テーブルに手紙が置いてある。
『このままずっと二人でいたかったけど、学校があるから行きます。
大阪に行ってから、いろんなことを考えたけど、私はやっぱり、〇〇君
(俺)が好きです。許してもらえるかわからないけど、もし許してもら
えるのであれば、元に戻りたいです。自分勝手はわかっているけど。
また、電話するね。コンビニでパンと牛乳買ってきたから、食べてね』
俺はこの手紙を読んでも何も感じなかった。
何も考えられなかった。思いは複雑だった。
夕べの俺は俺じゃなかった気がして怖くなった。
確かに今までになく激しい自分がいた。
獣のようだったと思う。
こんな自分が前のように純粋に彩を愛することができるのか。
心から彩を許すことができるのか。
できないと思った。絶対許せないと思った。
それから、彩はほぼ毎日のように電話を掛けてきた。
会話は当り障りのないものであったが、彩が俺との関係を修復しようと
一生懸命であることは伝わってきた。
それでも俺は心から彩を許すことはできなかった。
俺たちは昔のように週一回は会った。
その度に彩を抱きたい衝動にかられたが、俺は獣になる自分がいやで、
自分を必死に押さえた。
俺は無理やり仲のいい友人であるように演じていた。
俺は彩への気持ち(性欲も含む)のはけ口を求めていた。
その頃、俺が所属しているサークルに俺を好きだという後輩がいた。
その娘をアパートに連れ込み抱いた。
また、友人と大人数のコンパに参加し、そこでナンパした女の子と寝た。
彩への気持ちは治まるどころか、小林と同じことをしている自分が情けなくなり、余計に落ち込んだ。
俺はまた2ヶ月間の苦しみを彩の身体に叩きつけた。
また獣になって・・・・・
性欲は収まったが、また苦しくなった。
その苦しさから逃れるように、俺は彩へ「もう一度やり直そう」と伝えた。
彩は泣いていた。彩も辛かったのだと思う。
俺もそう伝えると少しだけ楽になった気がした。
それでも俺は心から彩を許してなかったと思う。
彩と付き合いながら、彩の替わりを探して、
彩に俺と同じ辛い気持ちを味あわせたいという思いが少なからずあったことは否定しない。
そんな自分がいやだったが、それも自分と思った。
再び付き合いだした彩と俺、これからまたたくさんの修羅場はあるの
ですが、スレ違いとなるので一旦終わりにしたいと思います。
---
ちょっと番外編を。
彩と俺は、ファミリーレストランのバイトで知り合ったんだが、
実はバイト先の連中には二人が付き合っていることを広言していなかった。
俺としては、彩がバイトに入ってくる前にバイト先で付き合っていた娘が
いて、すでにその娘とは別れていたのだが、バイト先の連中はそのことを
知っていたため、誰にも手を出す男と思われるのが嫌だったから。
彩もバイト先で広言しないことを特に気にしていなかったと思う。
もしかしたら、俺一人に束縛されるのが嫌だったからなのかも知れない。
もちろん、バイト先には彩のことを気に入っている男が何人かいた。
その中でも特に彩にご執心の男について触れたい。
その男の名は渡辺といい、俺と大学も学年も同じだったので、俺とも仲が良かった。
渡辺はことあるごとに彩のことを話題に出すので、俺は相槌をうちながらも
彩と付き合っていることを隠していることに後ろめたさを感じていた。
そんなとき、バイト先で飲み会があった。そのときの1コマ。
俺と渡辺は隣合わせで飲んでいた。少し離れた正面に彩。
渡辺(私服の彩を見ながら小声で)
「彩ちゃん意外に胸あるような~」
俺「そうか?」どうも渡辺も彩の胸に関心があるらしい。
渡辺「いやでかいよ。なんか彩ちゃんの身体えっちだよな。
あーあのおっぱい触りてーなー」
俺はその言葉を若干の優越感と後ろめたさの中で聞いていた。
その日の彩の服装は上は少し胸元の開いたTシャツにデニムの
ロングスカート。Tシャツ越しにブラが透けているのが見える。
渡辺の言葉に少し興奮している俺がいた。
渡辺「彩ちゃん、男いるのかなぁ」
俺「しらんけど、いるんじゃないのか」
渡辺「ほんとか!あのおっぱいを独り占めしているやつがいるのか!
ゆるせん!」そういいながら、グラスのビールを一気する。
そんな会話をしているとき、渡辺の動きがふと止まった。
渡辺「おい!彩ちゃんのパンティー見えてるぞ!」
彩の方に目をやる。
彩は体操座りをしており、ロングスカートで膝全体を被っている状態
だが、隠し切れておらず、膝の下から白いパンティに覆われた股間が
見えている。もちろんストッキングは履いていないので生パンのようだ。
隣で異様に興奮している渡辺。
彼女のパンティを他の男に見られている。
そのシチュエーションにかなり興奮した俺がいた。
夕べは飲みすぎて寝坊してしまいました。
彩のスペックに興味をもっていただいた方が多いようですので、簡単に触れておきます。
芸能に例えると難しいのですが、逸見えみりをもう少し童顔にした感じです。
ブラのサイズは65のEだそうです。
ウエスト、ヒップは不明ですが、全体的に華奢なイメージを想像してください。
番外編をもう少し続けます。
そのあと1次会はお開きになり、そこから歩いていける渡辺のマンションで
2次会を行なうこととなった。
彩は帰ろうとしていたが、渡辺が結構強引にさそったらしく、俺もいるとい
うこともあり、参加することに。
参加したのは俺と彩を含む男女6人(男3人女3人)。
先に言っておくとあまり期待することは何もなかったのだが、
渡辺の家では、全員で人生ゲームをやることに。
俺の前に彩が座っていた。
少し気になったのは、少し開き加減の彩の胸元。
彩が少し前かがみになるたびに大きく胸元が開く。
渡辺を見るとやはり彩の胸元を凝視していた。
極めつけはルーレットを回すとき。
ルーレットを回すとき、彩のシャツの胸元が大きく開いた。
思わず乗りだす渡辺。
つられて一緒に乗りだす俺。
そこには彩の白いブラと深い谷間が。
そしてブラが少し大きいのか胸とブラの間に隙間ができている。
俺も思わず凝視してしまう。
乳首こそ見えないが微かに明らかに肌の色とは異なる乳輪が。
渡辺は?
やはり彩の胸元を凝視していた。
渡辺の位置からも彩の乳輪は確認できているだろう。
それどころか渡辺はさらに奥をのぞこうと微妙に頭の位置を動かしている。
俺はそのシチュエーションに若干の興奮を感じた。
あまりに露骨な渡辺の動きに他の女の子が気がつき、
「彩、胸見えてるよ!」と注意をした。
恥ずかしそうに胸を押さえる彩。
その姿に萌えっときた。
渡辺はバツが悪そうにタバコに火をつけた。
以上が番外編です。つまらなかったらスルーしてください。
本編続けます。
大阪の事件後、俺と彩は寄りをもどし、半年間は何ごともなく過ぎていった。
特に強いてあげれば、渡辺が彩に告白しふられたことぐらいのことか。
この件で俺と渡辺の間でいろいろとあったが、特にエッチなこともないので、
割愛することする。
4月、彩は予定通りその企業に就職した。
小林や中村は大阪配属であり、入社式等でも会うことはなかったらしい。
しかし入社後2ヶ月くらい経ったとき、新たな敵が現われる。
それは、彩の同じ職場の2期上の先輩、島村である。
彩は経理部に配属になった。
彩は経理部では久しぶりの女性新人らしく、一番下の女性の先輩でも
30歳で、彩としては何かと聞きづらいことが多かったらしい。
そんなときやさしく相談にのってくれたのが島村だったらしい。
島村の話ですが、情報源は彩の話しかないので、そのとき自分が想像したことを
織り交ぜながら書き込みたいと思います。
多少事実と異なるかもしれませんがご了承を。
彩が就職して3ヶ月、そのころ俺は大学4年になり就職活動の真っ只中にいた。
ここ半年の彩の献身的な努力によって、拭い去ることができなかった彩への
気持ちは徐々に薄れつつあった。
俺もゼミ、就職活動と忙しく、他の女性との出会うきっかけもなく、
気持ちは彩に落ち着いていた。
そんな状況と彩に甘えてか、就職活動が上手くいかないジレンマと
ゼミのストレスを多少は彩にぶつけていたと思う。
彩はそんな俺のイライラを感じながらも黙って受け止めてくれていた。
・・・・・と俺は思っていた。ある日までは。
ある夜、会社帰りに俺のアパートに立ち寄った彩。
俺はすでにゼミの仲間と夕飯を食べてきていたが、彩は何も食べておらず
「おなかすいた。なんか買ってくる!」といって一人で近くのコンビニへ
出て行った。
俺はテレビを見ていた。
すると何処からともなく携帯のバイブレーションの音が聞こえる。
自分の携帯を取り出すと鳴っていない。
ふと床に目を落とすと彩の携帯があった。
彩は携帯大好き人間で携帯を自分の身から外すことなんてほとんどない。
俺は珍しいなと思いながら、携帯を拾い台の上に置いた。
音は一時鳴って止まった。
さらに1分後再び彩の携帯が鳴った。
俺は無視していたが、なんか気になって彩の携帯を空けた。
携帯の着信の文字は『島村さん』。
たしか彩の話では、会社の男の先輩だったよな。
その人がこんな遅くに彩の携帯に。何故ゆえ?
なにか胸騒ぎがした。
人の携帯を見るのは最低とは思ったが、俺は自分を止められなかった。
まず、彩の着信履歴を見てみる。2日前の11:30に島村からの着信が
あった。胸の鼓動が速くなる。
次にメールチェック。
早くやらなきゃ彩が帰ってくる。
使い慣れない携帯の操作にてこずりながらも着信メールにたどり着いた。
昨日の夜の日付。
内容はこのような感じだったと思う。
〇〇さん(彩の苗字)今日もお仕事お疲れさま。
昨日は2次会つき合ってくれてありがとう。
仕事もプライベートもお互いいろいろと辛いことあるよね。
俺もがんばるから、彩ちゃんも前向きにがんばれ。
辛いことがあったら言ってね。
いつでも愚痴でもなんでも聞くから。
あっ今度元気付けに昨日話していたうまい沖縄料理の店連れて行ってあげるからね。
それではおやすみ。
俺の鼓動がさらに速くなった。
もう一度読み返す。
『2次会』『プライベートも』『沖縄料理』
この文字が気になった。
一昨日、会社の飲み会があったのは知っている。
その日は彩から電話はかかってこなかったし、俺もしていない。
2次会は二人でいったのか?
プライベートとは俺とのことか?
沖縄料理は二人で行くつもりなのか?
彩の返信は?
すかさず返信メールを捜す。あった!
そのとき、ドアが開く音が。
「ただいま!」いつもと同じように明るい彩の声。
俺は慌てて彩の携帯を元の床の位置に置いて、何ごともなかったかの
ようにテレビに目を遣った。
気になりだしたら、収まらないのが人間の心理か。
俺は彩の携帯のメールの内容が気になって気になって落ち着かなかった。
でも彩の前で開く訳にもいかない。
何とか見る方法はないだろうか。
そのとき、再び彩の携帯が震えだした。
島村からか?
彩は買ってきたお茶を飲みながら、携帯に見向きもしない。
「彩、携帯鳴ってるぞ!」
「いいよ。後で確認するから」
普段であれば全く気にかけない彩の言葉も勘ぐりから悪い方向へ考えてしまう。
『見なくても島村とわかっているのか』
『俺の前では話すことができない会話をしているのか』
ますます彩の携帯のメールが気になりだした。
そんな俺に全く関せず彩は買ってきた女性のファッション雑誌を読んでいる。
そうだ風呂に入れさせればいいんだ。
その間にチェックしてしまえば。
俺「彩、疲れたろ風呂いれたるから、入っていけよ」
彩「明日会社早いから、もうちょっとしたら帰るからいいよ」
作戦失敗。
『今日はえっちしないで帰るつもりか?』
彩の雑誌を取り上げ、強引にキスをする。
彩「どうしたの?」
無言でキスを続け、右手で彩の胸を触る。そして股間へ。
不意に彩が離れた。
彩「今日はあの日だからダメだよ~」
俺「そっか、仕方ねーな」
そう言いながらも本当かと疑ってしまう。
『島村のこと考えて、俺とはえっちしたくないんじゃないか?』
その日、彩はいつもより早い電車で帰っていった。
結局、その日は彩の携帯の返信メールはチェックできなかった。
彩が帰ってから、俺は悶々としていた。
彩と島村の行動を想像する。
会社の1次会のあと、少し酔った彩。
島村が強引に彩を2次会に誘う。彩も嫌じゃなさそう。
薄暗いバーのカウンター。
話の内容は上司やお局様のこと。
そしてプライベートなことへ。
お互いの彼氏、彼女のことを愚痴りあう。
場面は変わり、店の外。駅へ向かう二人。
彩は少し酔っぱらったようで、足元がふらついている。
ふらついた彩を支える島村。
密着する二人。島村の手は彩の胸をさり気なく触る。
歩きながら、彩の胸の感触を楽しむ島村。
さすがにこの後、ホテルとはいかないだろう。
でもキスぐらいしたのではないのか。
在らぬ想像が俺の中を駆け巡る。
今日、彩とえっちできなかったからか、その妄想に俺は興奮していた。
次の土曜日、彩とのデートの日だった。
俺は作戦を考えた。
どうしたら、彩の携帯をチェックすることができるだろうか。
やっぱり、風呂か寝かせるしかない。
その日、作戦を敢行した。
二人で美術舘に出かけたが、俺の体調がすぐれないことを理由に早々と
俺のアパートに帰ってきた。
早々とデートを切り上げ、俺のアパートの戻ってきた彩と俺。
先ずはテレビを見ながらくつろいだ。
その間も彩の携帯が気になってしかたなかった。
その後の島村との展開はどうなったんだろうか。
そんなことを考えているとムラムラとしてき、俺は彩を引き寄せた。
彩のおっぱいを服の上から触る。
彩「汗かいているから、シャワー浴びさせて」
キター!チャンス!
いつもであれば、そのままシャワーを浴びさせずに雪崩れ込むのだが、
今日は素直に彩を解放する。
彩は風呂場に向かっていった。
彩が風呂の扉を閉めるのを確認すると彩のビトンのバックに飛びついた。
携帯を捜す。見つからない。
脱衣所まで持っていったのか。
そっと脱衣所に近づく。中からシャワーの音が聞こえる。
洗濯機の上に彩のシャツとスカートが置いてある。
その下に黄色い上下の下着が。
大きめのブラをそっと手にとる。少し興奮。
今日は目的が違う。携帯はどこに。
携帯は下着のさらに下に置いてあった。
時間がない。先ずは着信チェック。
昨日の夜の日付で着信履歴に島村の名前が。
それ以前はわからない。毎日掛けてきているのか?
続いてメールチェック。
先日の島村からのメールの返信を捜す。
島村への送信メールはたくさんのメールの中に埋もれていた。
時間がない。慌てて開く。
シャワーの音が止まる。
慌てて流し読みをした。内容はこんな感じだったと思う。
【以下彩メール】
昨日は酔っぱらってご迷惑をおかけしました。
タクシーで家まで送ってまでいただいてありがとうございました。
私、いろんなこと愚痴っちゃいましたね。
聞いてて不快でしたよね。ごめんなさい。
でも少しだけスッキリしたような気がします。
島村さん、いろんなおいしいお店知っているのですね。
沖縄料理楽しみです。
でも今度はあんなことしちゃダメですyo!
島村さんも早く彼女と仲直りできるといいですね。
では、明日もお仕事がんばりましょうね。
おやすみなさい。
もう時間の限界だ。
俺は携帯とブラをそっと元の位置に戻すと忍び足でその場から立ち去った。
それとほぼ同時に彩が風呂場から出てきた。
バレてないだろうか。ドキドキした。
落ち着いてメールの内容を反芻してみる。
気になったことが幾つかあった。
『タクシーで家まで送ってもらった』
そんなこと聞いてね-よ。いったい何時まで一緒にいたんかい。
『沖縄料理楽しみにしています』
また、二人っきりで飲みにいくんかい。
『今度はあんなことしちゃダメですYO!』
YO!ってなんかい。ていうかあんなことって何されたんかい。
彩が脱衣所から出てきた。
彩「さっき洗面所に入ってきた?」
やばい!
俺「ああ、お前の下着チェックしにな、黄色だったね」
彩「やだ、冗談でしょ。えっち」
なんとかごまかした。
すかさず、彩を引き寄せてキスをする。
そのまま、激しく彩を抱いた。
抱いている最中、何度か島村のことを考えた。
島村も彩を抱きたいのか。そう考えるとさらに興奮した。
俺のアパート。シングルベッドに横たわっている彩と俺。
となりで寝ている彩の顔を見ながら、また島村のことを考えた。
島村は今後どのような手段を講じてくるのだろうか。
彩は島村のことをどう思っているのだろうか。
彩は小林のときのように島村を受け入れるのだろうか。
俺は何を期待しているのだろうか。
記憶の奥隅に追いやっていた小林のことを思い出したとき、
俺はまだ彩のことを本当に許すことができていないことを自覚した。
それから数日、俺はゼミと就活で忙しく、彩も残業で帰りが遅く、
会えない日が続いた。
島村のことは気になっていたが、ゼミは卒業がかかっていたし、就活は
佳境を迎えていたので、島村のことは考えないようにしていた。
彩からはほぼ毎日電話があった。
残業の毎日で疲れており、まっすぐ帰宅しているようだった。
彩の話は今日あったことなどたわいもない話が多かった。
その中で島村のことが時折出てきたが、職場の一人という位置付けだった。
そんなある日、彩が電話で、
「明日、職場の人と食事して帰るから電話できないかもしれない」
と切り出してきた。
俺「何人でいくの?」
彩「有志だから、わからないけど、数人だと思う」
俺「ふーん」(ついに島村がうごいたか!)
俺「島村さんも?」さらに追求する俺。
彩「えっ?たぶん。島村さんが企画してたから」
俺「他には?」(俺もしつこいな)
彩「〇〇さんも行きたいっていってたから」
俺「そうか」
ここで会話は終わった。
この時点で彩がうそをついていたのかどうかは不明。
次の日の夜。さすがに彩の行動が気になった。
気になったがどうすることもできなかった。
こういうときに彩のことを好きなんだと自覚する自分。
何度か彩の携帯に電話をしようかと思ったが、やめた。
そのとき、扉をノックする音が聞こえた。
扉の向こうに彩が立っていた。急いで扉を開ける。
俺「どうした?」
彩「来ちゃった」
俺「電話くらいしろよ。俺がいなかったらどうすんだよ!」
彩「いなくても待ってるつもりだったから」
彩を部屋へ導く。
コーヒーを入れながら、
俺「今日、飲み会だったんだろう?もう終わったのかよ?」
彩「うん」
俺「なんかあった?」
彩「〇〇(俺)に会いたかった」
俺「話してみろよ」(結構ドキドキしていた)
彩はこれまでのことをゆっくりと話し出した。
時は前回の飲み会のときに遡る。
彩は一次会で意地悪な先輩(お局様)に結構飲まされて、少し酔っ払っていた。
彩が帰ろうとしていたとき、島村から二次会に行こうと誘われる。
島村は彩が仕事で困ったときいつも助けてくれる先輩。
年も他の人より近いため、職場でも自分のことをかわいがってくれる。
彩はこれ以上は飲めないと思ったが、せっかくの島村の誘いを断るわけにも
いかず、1時間くらいならと付き合うこととした。
島村とは職場の愚痴で盛り上がり、話はプライベートへ。
彩は俺が就職活動でピリピリしていて辛い等の話をしたらしい。
島村も付き合っている彼女と喧嘩していて別れようかどうか悩んでいる
などの話をしたようだ。
彩は飲んでいたカクテルの酔いがまわり、ちょっと辛かったので、
帰ろうと島村に言ったら、もう少ししたらタクシーで送るからと言われたらしい。
それからが長く、彩は島村の話を聞きながら,うつらうつらしていた。
ようやく店を出て、タクシーを拾おうとしたが、タクシーがなかなか
つかまらない。
待っている間、島村はふらつく彩を抱きかかえていた。
脇を抱えられていた島村の手が胸にあたっていたが、気にする気力は彩にはなかったらしい。
もう限界かも。
ようやくタクシーに乗り込むと彩は安心して、うとうととしだした。
ここから島村目線で。
島村は彩を見ていた。彩のふくよかな胸がブラウスを押し上げている。
下半身に目を遣るとタイトスカートが少し上がって、見える太ももが
艶かしい。
先程、触れた胸。予想外のボリュームだった。
会社では制服のベストに隠されていて想像ができなかった。
その胸に触れてみる。柔らかい。
少しだけ手を動かしてみる。彩はまだ起きない。
さらに少しだけ激しく。
彩の手が島村の手を制した。
彩「島村さん、ダメですよ」
島村「ごめん。彩ちゃんが魅力的だったから」
彩「彼女に怒られますよ」
こんなやりとりがあったらしい。
このとき、彩は少なからず島村が自分に好意をもっていることを感じていた。
程なくタクシーは彩の自宅の前に着いた。
飲み会のあと、島村は毎日のように彩に電話を掛けてきた。
彩も島村は職場の大事な先輩なので、無下にすることもできず、
程ほどに付き合っていた模様。
その中で、しつこく沖縄料理に誘われたとのこと。
彩は、二人きりでは嫌だったので、
みんなで行くよう話をもっていく努力をしていたそうだ。
飲み会のあと、島村は毎日のように彩に電話を掛けてきた。
彩も島村は職場の大事な先輩なので、無下にすることもできず、
程ほどに付き合っていた模様。
その中で、しつこく沖縄料理に誘われたとのこと。
彩は、二人きりでは嫌だったので、
みんなで行くよう話をもっていく努力をしていたそうだ。
俺は聞きながら、メールの内容を思い出していた。
『お前は行くことにノリノリだったじゃねーか』と。
そうした中、島村が今回、みんなで沖縄料理を食べに行こうと企画した。
彩は二人きりでなければ、参加せざるを得ないと思ったとのこと。
先輩の女性も参加する意向を表明していたらしい。
ところが、当日先輩が参加できなくなったらしく、
結局彩と島村二人きりとなってしまった。
さすがに彩は帰るわけにもいかず、一緒に沖縄料理の店に行くこととなった。
島村と二人きり、個室。
彩はこの間のことがあるので、少し不安だった。
島村が自分に少なからず好意を寄せていることは分かっている。
だが、自分は期待に応えられない。
最初は職場の取り留めのない話だったが、島村が強引にプライベートの話を切り出してきた。
島村「俺、彼女と別れたんだ」
彩「えっ、そうなんですか。どうして?」
島村「俺の中で彼女より存在の大きな人ができたから」
彩「・・・・・」
島村「彩ちゃん、俺と付き合ってほしいんだけど」
彩「・・・・・」
島村「彩ちゃんに彼がいるのは分かっているけど、考えて欲しい」
彩「でも・・・・・」
彩は一瞬悩んだかもしれない。
相手は頼りがいのある先輩。一方、就職活動中の頼りない学生の俺。
彩「島村さん、ごめんなさい」
彩はきっぱりと返事をしたらしい。
島村「困らせてごめんな。自分の気持ちだけ伝えたかったんだ」
彩「島村さん、ほんとにごめんなさい」
彩「島村さんのこと嫌いじゃないけど・・・・・」
島村「俺、彩ちゃんのこと待っているから」
今思えば、彩はたぶん島村に少なからず好意をもっていたと思う。
俺からすれば、そのときは『よくぞ無事で戻ってきた』とぐらいしか
考えてなかった。
その足で自分のところへやってきた彩が愛しかった。
俺は彩の話を聞いて、満足だった。
単純かもしれないが、このことをきっかけに彩への不信感が安心感へ変わったような気がした。
この瞬間、島村は俺の敵では無くなった。
これが大きな勘違いだったが・・・・・
それから一時は俺と彩の関係は特に波風も無く順調だった。
俺も無事に就職が決まった。
島村もあの日以降は彩に近づくことも無かったようだ。
ちょっとえっちねたが無かったのでここでまた1つ番外編を。
俺が学生最後の冬のこと。
渡辺に彼女ができた。
忘れている方も多いと思いますが、渡辺はバイト先の俺の同級生。
同じバイト先に入った19歳の娘だった。
結構可愛くて、胸も大きく俺好みだった。
名前は由香という。
渡辺の企画で俺、彩、由香の4人で1泊でスキーに行くことになった。
俺は由香と一緒にいけることがうれしかったが、
渡辺も彩と久しぶりに会えることがうれしかったらしい。
渡辺は1年前、彩に告白し振られている。
彩がバイトをやめてから、俺は彩と付き合っていることを渡辺に告げた。
隠していたことに対し渡辺は怒ったが、最終的には認めてくれた。
俺たちはスキーを楽しんだ後、那須高原のペンションに泊まった。
そのペンションには4つ温泉があり、それぞれ貸切にすることができる。
折角だから、渡辺が全員で入ろうと言い出した。
俺は彩の裸を渡辺に見られるのは嫌だったが、それよりも由香の裸が
見れることの期待が大きく、賛成した。
ところが、彩と由香に猛反対され、あえなく挫折することとなった。
結局、男と女に分かれて入ることに。
俺は由香の裸を見ることができると期待していただけに落胆は大きかった。
露天風呂に入って、ゆっくり湯船に浸かっていると
隣から女性陣の声が聞こえる。
渡辺「お前には悪いけど、彩ちゃんの裸見たかったなぁ」
俺「俺だって、由香ちゃんの裸見たかったよ」
渡辺「彩ちゃん、いい身体してるよな。お前がうらやましいよ」
俺「お前、未だ諦めてないのかよ。由香ちゃんいるじゃん」
渡辺「由香、未だガキだから」
そんな会話をしながら、徐に渡辺が立ち上がった。
露天風呂と露天風呂を仕切っている垣根を調べる渡辺。
俺はそんな渡辺を湯船から見ている。
渡辺の動きが止まった。
垣根に隙間を見つけたようだ。
隣からは女性陣二人の会話が聞こえる。
俺「見えてんのか?」小声で尋ねる。
無言で覗きつづける渡辺。
俺「どうなんだよ?」再び尋ねる。
無言で覗きつづける渡辺。
痺れを切らして湯船から上がり、渡辺に近づく俺。
渡辺「やっぱ彩ちゃんスタイルええわ~」
俺も隙間に目を遣る。
そこには3メートルくらい離れた湯船の端に腰掛けた彩の姿が。
上半身のシルエットが艶かしい。
由香は湯船の中でよく見えない。
渡辺は俺に遠慮することなく、彩の裸を堪能している。
「彩ちゃん、あんなおっぱいしてたんか」
俺は彩の裸を渡辺に見られていることに少なからず興奮を覚えた。
やがて、由香も湯船から上がる。
由香は胸は大きかったが、ちょっとぽっちゃりだった。
それでも10代の張りのある裸体だった。
俺たちは時間ギリギリまで二人の裸を堪能した。
俺は無事に大学を卒業し、社会人となった。
最初の3ヶ月の研修期間は東京だったので、たまに夜は彩と待ち合わせを
して、食事を楽しんでいた。
彩も2年目に入り、仕事も慣れてきたらしく、精神的にも落ち着いていた。
その後、島村のことも彩の口からほとんど出なくなっていたので、
俺も気にしなくなっていた。
3ヵ月後、俺の配属先が決まった。
配属先は九州しかも営業。俺はショックだった。
俺の希望は業務で東京に残れると勝手に思っていた。
ましてや彩と遠距離になるなんて。
彩に電話で報告した。
電話の向こうで彩が動揺しているのが分かった。
多分、東京育ちの彩にとって九州という土地は、海外にも等しい感覚なのだろう。
電話を切るとき、彩が言った言葉が気になった。
「私、自信ないよ」
出発までの2週間、二日に一度は彩と会った。
最後の1日は二人とも有休をとり、ディズニーランドに行った。
お互いに明日からのことは触れずに精一杯楽しんだ。
帰りにラブホに入り、彩を抱いた。
これからはこの身体を抱きたくても抱けないと思うと切なくなった。
その切なさが俺をさらに燃えさせた。
2時間、全力を注いだ。
俺の中でこれが最後となるかもしれないという予感があったのかもしれない。
抱いた後、彩が泣いているのに気がついた。
次の日、羽田から俺は九州へ向かった。
配属先での勤務は、新人の俺にとってハードだった。
毎日がくたくたで、マンションに帰り着くとそのままベットに倒れこむ日が続いていた。
彩から掛かってくる電話も取る気力もないくらいで、取っても話す気力が出ず、会話も続かなくなっていた。
そんな日々の中でも、性欲だけは消えず、悶々としていた。
彩の電話はその苦しみを増長させるものでもあった。
彩の身体を思い出し、自分を慰めても、消せるものでもなく、
さらに自分を苦しめた。
そんな中、一人の娘と出会った。
その娘は同じ支店の3年目の先輩。
支店全体の行事のときに見かけたが、その容姿に俺は一目ぼれに似た思いを抱いた。
九州に配属になり、2ヶ月が経った。
気になる3年目の先輩(智美さん)とも全く接点が無く、
話をする機会さえも与えられずにいた。
彩との関係も週に一度電話で取り留めの無い話をすることでかろうじて繋がっていた。
そんなある日、突然チャンスが訪れた。
俺は、地下の書庫で書類を捜していた。
慣れない俺は、必要な書類を揃えるのに一人で四苦八苦していた。
そのとき、智美さんが入ってきたのだ。
智美さんは人がいることに少しびっくりしたようだったが、
俺と分かると少し微笑んで会釈をした。
俺もドキドキしながら、ぎこちなく会釈を返す。
智美さんは自分の必要な書類を手にとると俺の方へ近づいてきた。
智美「どうしたんですか?」
俺「登録書類がなかなか見つからなくて」
智美「ちょっと見せてください」
そういいながら、俺のリストを手にとった。
智美さんの長い髪からほのかにシャンプーのいい匂いがした。
リストを見ている智美さんの横顔を見つめる。
『かわいい!』
さらに胸に目を落とす。
制服のベストが少し盛り上がっている。
大きさはよくわからないが、決して小さくはなさそう。
俺は、俺の書類を捜してくれている智美さんの姿をしばらく
ボーっと見ていた。
智美さんは俺にお尻を向けて、テキパキと俺の書類を揃えてくれている。
そのお尻を見つめる俺。
お尻は小さめ、薄いグレーのスカートにうっすらとパンティラインが分かる。
ずいぶんご無沙汰の俺は、ちょっと興奮した。
そんな時間も長くは続かなかった。
智美さんは書類とリストをチェックした後、
「はい、揃いましたよ」といっておれに渡してくれた。
俺「あっ、ありがとう」
智美「ここの書庫、分かり難いですよね。特に来たばっかりじゃね」
俺「俺のこと知っているの」
智美「営業課の〇〇さんですよね。うちの課じゃ有名ですよ」
俺「えっなんで?」
智美「うちの課、女性ばかりでしょ。若い男性が配属されるとその話題でいつも持ちきりなんですよ」
俺「かっこよくなくて残念だったとか・・・・・」
智美「そんなことないですよ。〇〇さんはすっごくやさしそうだってみんないっていますよ」
ずっと話していたかったがそうもいかず、二人で書庫をでると、それぞれの職場に戻った。
さらに神様はチャンスをくれた。
2日後、帰宅しようと会社の裏口を出ようとしたとき、偶然智美さんと一緒になった。
智美さんは屈託の無い笑顔で「お疲れ様です!」と声を掛けてくれた。
俺は意を決して智美さんに声を掛けた。
「このまままっすぐ帰るのですか?」
智美「ええ」
俺「よかったら、ごはん食べにいきませんか。この間のお礼もしたいし」
普段の俺だったら絶対さそえなかったが、このときばかりは勇気が出た。
智美さんはちょっと考えたようだったが、
「はい、よろしくお願いします」と笑顔で応えてくれた。
俺はあまりお店を知らなかったので、智美さんがおいしいという焼き鳥屋に行った。
その日、俺たちはいろんな話をして盛り上がった。
智美さんは大人しい人かと思っていたが、意外によくしゃべる娘だった。
話している間、私服姿の智美さんの胸元を見た。
華奢な身体の割には大きなふくらみがあった。
この娘と付き合いたいと思った。
俺たちは次の土曜日、会う約束をしてその日は別れた。
次の土曜日までの3日間が長かった。
土曜日が待ちどおしくてたまらなかった。
悶々として、未だ見ぬ智美さんのおっぱいを想像して抜いた。
そして、待ちに待った土曜日がやってきた。
土曜日、俺は智美さんを車で迎えに行った。
こっちに来てからはほとんど洗ったことの無い車を朝早くから洗車した。
気合入りまくりだったと思う。
智美さんの格好は白いTシャツにカーデガンを羽織りジーンズだった。
ラフな格好の智美さんもかわいかった。
Tシャツに少しブラが透けててドキッとした。
俺たちは海までドライブした。
秋口だったが、その日は暑かった。
俺たちはくつを脱いで、膝まで海に入ってはしゃいだ。
なんか久しぶりに青春してた気がする。
全てが新鮮だった。
帰りがけ、車の中でキスをした。
智美さんは照れくさそうだった。その姿に萌えた。
全てが順調だった。
そう思った瞬間、彩のことが頭を過ぎったが、すぐに打ち消した。
数日後、会社帰りに智美さんと食事に行った。
俺は、その日勝負に出ようと決めていた。
食事の後、自分のマンションに智美さんを誘った。
智美さんはちょっと考えたようだったが、ついて来てくれた。
コーヒーをいれて、いろんな話をした。
最初は、少し緊張気味だった智美さんもだんだんくつろいできたようだった。
音楽をかけて雰囲気を盛り上げ、二回目のキスに持ち込んだ。
キスをしながら、胸に手を添える。
予想以上のボリュームに胸が高鳴る。しかも柔らかい。
何日も想像した智美さんのおっぱい。
それだけで、俺の愚息が元気になっていた。
少し服の上からおっぱいを堪能し、ブラウスのボタンを外す。
白いブラジャーが見える。サイズよりブラが小さいのか
おっぱいの3分の1くらいがはみ出ている。
俺の興奮はピークに達していた。
そして、右手をスカートの中へ入れようとしたそのとき、
智美さんが俺の手を掴んだ。
智美「ちょっと待って」
俺「どうしたの?」
智美「本気なの?軽い気持ちじゃいや」
俺「・・・・・」
一瞬、彩のことが頭を過ぎった。言葉が出なかった。
暫し沈黙が流れる。
智美「私、大人じゃないのかなぁ」
俺「どうして?」
智美「私、お付き合いしている人じゃないとやっぱりできない。
もう傷つきたくないから」
俺「もう?」その言葉が気になった。
智美さんは、俺に去年のことを話してくれた。
隣のセクションに俺の2期上の先輩がいる。
つまり智美さんの同期で、名前は大橋さんといって福山雅治似のイケメンである。
面倒見が良く、俺がこっちに来てからなにかと気に掛けてくれて、
お互い独身ということもあり、よくつるんで飯を食いに行ったりしている人物だ。
時は1年程前に遡る。
智美さんと大橋さんは同期ということもあり、仲が良かったらしい。
ある日、同期会の後、大橋さんから悩みを聞いて欲しいと言われ、
二人で飲みに行ったそうだ。
智美さんはカクテルを飲んでいたが、その日は調子があまりよくなく、
すぐに酔って気分が悪くなった。
店を出たものの、タクシーで家まで無事に帰りつく自信も無かったため、
一時、公園のベンチで休むことに。
(智美さんの家は遠い)
大橋さんは水を買ってきてくれたりしてやさしく介抱してくれたが、
一向に気分は良くならない。
季節は10月で少し肌寒い。
大橋「俺んちまでだったら、がまんできるやろ。とりあえず俺んちまでいこうや」
黙ってうなずく智美さん。
とにかく、早く横になりたかったらしい。
二人、タクシーに乗って大橋さんのマンションへ。
マンションに着くと智美さんは大橋さんのベットに倒れこんだ。
大橋からシワになるからという理由でジャケットを脱がされた。
スカートも脱いだらといわれたが、ホックを外すだけにした。
暫くすると大橋がベットに入ってきた。
大橋「俺もとなりで寝ていい?」
智美「でも・・・・・」
大橋「何もしないから」
智美の隣に寄り添う大橋。
大橋の手が智美の胸を触る。
智美「何もしないっていいったでしょ」
大橋「少しだけ、いいだろ」
智美も大橋のことは決して嫌いじゃない。むしろ好感を持っていた。
大橋の手はさらにスカートを捲り、素早くパンストの中へ進入した。
智美「やだっ」と言いかけたとき、唇を大橋に塞がれた。
唇を塞ぎながら、手はさらに奥まで侵入した。
パンティ越しに智美の秘部を弄る。
大橋「智美、濡れてるじゃん」
いやらしい言葉を浴びせながら、大橋の執拗な攻撃は続く。
酔いと快感でわけ分からなくなる智美。
大橋の右手で智美は絶頂に達したらしい。
さらに、大橋は智美の手を自分の股間に導き、咥えさせる。
そして智美に生で挿入しようとした。
「お願い入れないで」抵抗する智美。
「大丈夫だから」強引に挿入しようとする大橋。
智美「やっぱり、怖いから」
大橋「俺、お前の好きだから」耳元で囁く。
智美は大橋を受け入れた。
全てが終わった後、智美は大橋と付き合うものだと思っていた。
大橋のことをもっと好きになるよう努力していこうと勝手に考えていた。
その日、智美は大橋のマンションに泊まった。
翌朝、大橋から衝撃の言葉を聞かされる。
大橋「俺、智美に言っておかないといけないことがあるんだ。俺、東京に彼女がいるんよ。だからお前の彼氏にはなれん」
智美「・・・・・」正直言葉がでなかったらしい。
俺のマンションの部屋の中。
話を聞いていて、胸が苦しくなった。
智美の全てを大橋が知っていることに対し、嫉妬に近いものを感じた。
そして、智美が大橋から攻められている姿を想像し、少し興奮した。
それが、彩と小林のことにダブった。
いろいろな思いが頭の中をグルグルと回った。
俺は智美さんのブラウスのボタンをつめ直した。
俺は智美さんを騙したくない。大事にしたい。そう思った。
俺はそのとき彩と別れる決心をした。
決心はしたものの、電話ではなかなか彩に言い出せずにいた。
智美さんとの関係は順調だった。
仕事帰りにはよく食事に行った。2週間に一度の週末は一緒に遠出したりした。
あの日以来、キス以上の関係は無かった。
俺の中で、彩と決着をつけるまでは智美さんに触れないと決めていた。
大橋さんともよく飲みに行ったが、
智美さんとのことを知ってしまったことにより少しぎこちない自分がいた。
そんなある日の飲み会での話。
俺と大橋さんを含む、支店の若手の男5人で飲んでいたときのこと。
支店の女性で誰が一番お気に入りかという話になった。
俺は智美さんではなく、同じ職場のペアの娘を挙げた。
大橋さんは意外にも智美さんの名前を挙げた。
それを聞いて動揺している自分がいた。
さらにもう一人、俺の同期の石川も智美さんを挙げた。
石川は智美さんと同じ職場である。
さらに衝撃的な話を石川が始めた。
1ヶ月ほど前に職場の慰安旅行があり、温泉に出かけたとのこと。
もちろんその中に智美さんもいた。
その温泉旅館には離れに露天風呂があり、
石川はその露天風呂の脱衣所が覗けることを発見したそうだ。
石川はチャンスと思い、宴会終了後、露天風呂への通路の前で女子陣が来るのを待っていた。
そこへやってきたのが、智美さんを含む若手女性3人。
3人が脱衣所へ消えていくのを確認すると石川は自分も男湯の脱衣所へ向かった。
急いで脱衣所を仕切っている垣根の隙間に目をあてる。
隙間の目の前には智美さんがまさに浴衣の帯をほどいていた。
浴衣を落とす。目の前にピンクのブラとパンティだけの智美さん。
さらに髪を結わえるとブラを外す。
石川はびっくりしたらしい。ブラから飛び出した智美さんのおっぱいに。
華奢な身体からには似つかわしくない大きさだったらしい。
少し垂れ気味ではあったが、大きめの乳輪。
ピンクの小さ目のパンティとのコントラストが艶かしかったとのこと。
さらにパンティを下ろすと薄い茂みを目の前に見ることができたらしい。
他の二人のも見ることができたが、やはり智美さんの裸が衝撃的だったらしい。
それ以来、石川は智美さんのファンになったとのことだった。
大橋さんは黙ってその話を聞いていた。
大橋さん以外に石川にも見られていることにまた嫉妬に似た感情を覚えた。
そして未だ見ぬ智美さんの裸体を想像して悶々とした。
早く彩との関係を決着させなければ。
11月の連休に彩が突然、九州に来るといいだした。
もしかしたら、俺の微妙な気持ちの変化を電話口で感じたのかもしれない。
俺は、いよいよ別れを伝えなければいけない時が来たことを悟った。
彩に来てもらうのも申し訳ないと思ったので、自分が東京に行くと言ったが、彩は聞かなかった。
そして彩はやって来た。
俺は彩を空港に迎えに行った。
久しぶりに見た彩は髪を短めに切っており、かわいかった。
とても新鮮だった。
俺は最後の思い出づくりと思い、いろいろな観光地に彩を連れて周った。
正直楽しかった。彩も久しぶりの二人の時間を楽しんでくれていた。
その夜、当然のごとく彩は俺のマンションに泊まった。
俺は彩とはもう関係を持たないつもりであったが、そんな意思は今日一日で吹っ飛んだ。
今日一日早く彩を抱きたいと思っていた。
数ヶ月間の悶々が一気に押し寄せてきていた。
部屋に戻ると俺はそのまま彩をベッドに押し倒した。
強引にシャツを捲くるとブラをずり上げ彩のおっぱいを露出させた。
おっぱいにむしゃぶりつく俺。
愚息はギンギンだった。
さらにスカートを履かせたままストッキングとパンティを下げると
そのまま愚息を彩の股間に押し当てた。
彩の股間は俺の愚息をすんなり受け入れることができるほど十分に濡れていた。
いつもは彩を逝かしてから自分が逝くのだが、そのときは自分が逝くことに集中した。
俺はすぐに果てた。
それだけでは、俺の性欲は納まらなかった。
彩の身体を前に俺の理性はぶっ飛んでいたと思う。
さらに彩に愚息を咥えさせ、奉仕をさせる。
すぐに愚息が復活した。
再び半裸状態の彩をバックから攻める。
今度は、彩を逝かすことに集中した。
彩を二度ほど逝かしたあと、俺は二度目の絶頂を迎えた。
その瞬間、俺の中に再び理性が戻ってきた。
俺はこれからどうしたいんだ。
彩と別れて、智美さんと付き合うのではなかったのか。
こんなにも愛しい彩を手放すことができるのか。
彩が他の男のものになることに我慢できるのか。
・・・・・
そんな思いが俺の頭の中を駆け巡った。
久しぶりのえっちで疲れきったのか、隣で彩の寝息が聞こえる。
彩の寝顔を見た。
改めて愛しいと思った。
次の日遅い朝食をとり、二人で観光に出かけた。
二人で行動している間、俺の心の中の格闘は続いていた。
このまま何も言わず、彩を帰してしまっていいのか。
俺は智美さんをあきらめることができるのか。
それともずるいが二股をかけるのか。
そんなことやると二人とも失ってしまうのではないか。
などなど・・・・・
あっという間に夕方になり、俺は彩を空港まで送っていった。
彩の飛行機の出発まで1時間。
俺たちは早い夕飯をとるため、空港内のレストランへ。
もう言えない。俺は彩へ別れようと告げる試練を放棄しようとしていた。
彩も智美さんも今の俺にとっては大事。
無理して別れる必要ないじゃん。
彩は東京、智美さんは九州だし、うまくやれるさ。
俺は自分勝手な安易な選択をしようとしていた。
そんなことが頭の中を駆け巡っていたとき、
突然、彩が切り出した。
彩「〇〇君、何か私に話したいことがあるんじゃないの?」
俺「なっ、なんで?」
彩「この間から、〇〇君ちょっとおかしかったから」
俺「そっ、そうか?」
彩「私ね。この旅行が最後になるかもって覚悟してきたんだ」
俺はめちゃくちゃ動揺した。
彩「私より、好きな人ができたのでしょ?」
俺「・・・・・」
彩「〇〇君、正直だからわかるよ」
俺「ちょっと、彩待って!」
彩「実は私も別れることを決心して来たんだ」
俺「どっ、どうして?」
彩「〇〇君が九州に行ってからずっと会えなくて辛かった」
彩は俺が九州に行ってからのことを話し出した。
会いたいとき会えないことで辛くて苦しかった。
仕事で辛かったとき、聞いてもらいたくて電話するけど繋がらなかったり、
疲れてて、おざなりだったり、その度に落ち込んだ。
それでも時間が経てば、この距離に慣れて当たり前になるはずだと自分に言い聞かせた。
それでも辛かった。
将来(結婚)を決めれば、がんばれると思って、
俺に「この先どのように考えてるの?」とさりげなく聞いてみたが、
うやむやな答えしか返ってこなかった。(よく憶えてないが・・・・・)
そんなとき、なんとなくだが、俺の気持ちが自分から離れていった気がした。
俺の話の中から女性の影が少しだけ垣間見えた気がした。
それを感じてさらに落ち込んだ。
もう、どうにでもなれとやけになった。
そんなとき、彩の話を優しく聞いてくれて、相談にのってくれたのが、島村だった。
島村は職場で彩の顔色がすぐれないと、いつも優しく声を掛けてくれた。
あの日以来、彩は島村と二人で食事にいったりしていなかった。
どちらかというと島村を避けていたかもしれない。
島村が自分に好意をもっていることは十分にわかっていた。
それ故に思わせぶりな行動はしてはいけないと自分に言い聞かせていた。
そんなある日、会社が終わって彩は一人でぼんやりと駅までの道を歩いていた。
なんとなく心が晴れなかった。
仕事も集中力を欠き、ミスを連発してしまった。
俺からの電話のない日が続いていた。
彩はこのまま家に帰りたくなかった。
昔だったら、俺に電話して、俺のアパートに向かったことだろう。
そのとき、後ろから肩をポンとたたかれた。
振り返ってみる。
そこには、島村が笑顔で立っていた。
島村「一人でどうした?」
彩「真っ直ぐ家に帰りたくなくてブラブラしてました」(笑)
島村「なら、飯でも食いに行こうか?」
彩(一瞬考えて)「島村さんは予定無いんですか?」
島村「うん、家に帰ろうと思って。どうせ家帰っても一人だから」
彩「いいんですか?」
島村「いいもなにも、彩ちゃんと飲めるんだったら何時でもOK!」
二人で歩いて近くの居酒屋に入る。
彩は島村と話しているとだんだん穏やかな気持ちになっていく自分に気がついた。
「もう無理かもしれない」彩がぽつりとつぶやいた。
島村「どうした?」
彩「もう私たち遠距離を続けるのは無理かも」
島村「彼と別れて俺と付き合わないか」
彩「・・・・・わからない」
島村「今返事しなくてもいいから、ゆっくり考えて」
彩「・・・・・」
島村「俺の気持ちは最初に彩ちゃんにあったときから変わってないから」
駅のホーム。
島村と彩が並んで電車を待っている。
彩が乗る電車がホームに入ってくる。
強引に彩を抱きしめる島村。
彩、びっくりするが抵抗しない。
電車の発車のベルが鳴る。
島村ゆっくりと抱きしめた手をほどく。
島村「おやすみ。また明日」笑顔で彩を見送る。
彩の身体に抱きしめられたときの島村のぬくもりが残っていた。
次の土曜日、彩は島村の車の助手席に乗っていた。
初めての島村とのデート。
先日食事をした次の日、彩は島村から土曜日開いているかと聞かれた。
彩は何も言わずうなずいた。
島村は彩をつれていきたい場所があるらしい。
彩は頭の片隅に俺のことを考えたらしいが、もう考えないようにした。
自分のしたいようにしよう。
○○君(俺)だって、九州で好きにやってるんだから。
彩と島村を乗せた車は郊外へと向かっていった。
車はどんどん人気の無い山奥へと入っていく。
道路もアスファルトから砂利道に変わっていた。
島村の車は四駆なので、走行は心配なさそうだが、あまりにも山奥へ入っていくので、彩の心の中に若干の不安が過ぎった。
そんな不安を他所に島村は車をさらに奥地へ走らせる。
周りは鬱蒼とした林が続く。
最初は饒舌だった島村も運転に真剣なのか、あまり喋らない。
カーステレオからの音楽だけが静かに流れている。
彩の不安がさらに大きくなったとき、突然視界が広がった。
車が止まる。
「着いたよ」島村がエンジンを止めながら、つぶやく。
二人外に出る。
「すごーい」彩は思わず叫んでいた。
そこからの景色はすばらしかった。
一面に広がる紅葉。澄んだ空気。
しばらく無言で彩は紅葉に見入っていた。
鬱拙していた自分の気持ちが洗われるようだった。
暫くの間、二人は近くの石に腰掛け、黙って景色を堪能した。
彩「ありがとう」
島村「少しは気分が晴れた」
彩「うん。すばらしいところだね」
島村「そうだろ。俺のとっておきの場所なんだ。大事な人以外は絶対
連れてこないよ」
彩は少しだけドキドキしている自分に気づいた。
二人は車を置いたまま、森を散策した。
島村の話だと少し降りたところに小さな滝壷があるらしい。
しばらくすると水の音が聞こえだした。
二人、滝壷に出る。
綺麗な水、静かな水の音、心が癒される気がした。
滝壷の水に触れてみる。冷たい。
島村に少し掛けてみた。逃げる島村。
傍から見れば、まるで仲の良い恋人同士のように見えるだろう。
彩はここに連れてきてくれた島村に本当に感謝していた。
そうしているうちに空が暗くなってきた。
天気が崩れそうな気配。
二人は車に向かったが、途中で大粒の雨が落ちてきた。
坂をかけ上がり、なんとか車まで辿りついたが、二人ともずぶ濡れだった。
気温も急に下がり、寒気がする。
島村はすぐにエンジンをかけ、暖房を入れた。
一枚のタオルを代わる代わるに使い濡れた身体をふき取る。
彩の白のブラウスが濡れてブラが透けている。
島村「このままだと風邪ひくから、服脱いで俺のジャケット羽織ってなよ」
車内に置きっぱなしだったので、濡れていないジャケットを渡す。
彩「島村さんは?」
島村「俺は大丈夫だから、早く後ろで着替えな」
彩は少し躊躇したが、寒気がしてほんとうに風邪をひきそうだったので、
後部座席に移動し、座席の影に隠れてブラウスのボタンを外しだした。
島村がバックミラー越しに自分の方をちらちらと見ているのがわかった。
下着姿を見られるのは恥ずかしかったが、少しくらい見られても仕方ないと思い急いでジャケットを羽織った。
助手席に戻った彩の姿を見て、島村はドキッとした。
大きめのジャケットだが、胸元がV字に大きく開いている。
ブラは見えないように隠しているものの、深い胸の谷間が見え隠れしていた。
島村は前にタクシーの中で触れた彩の胸の感触を思い出していた。
予想外のボリュームだった。
あれから、彩の身体を想像して悶々としきてきた。
その身体が目の前にある。
その思いを打ち消すようにカーステレオのボリュームを上げる。
雨は一向にやむ気配はない。
沈黙が流れる車内。島村は自分の鼓動が速くなるのを感じた。
その沈黙を破るように彩が話し掛けた。
彩「飴、食べますか?」
島村「あっああ」ちょっと動揺して答える。
彩は後部座席に置いてある自分のカバンを取ろうとする。
そのとき、押さえていたジャケットの胸元が開き、
島村の目に彩のブラに支えられた胸の全貌が飛び込んできた。
その瞬間、島村は理性を忘れた。
島村は彩を抱き寄せて、唇を奪おうとする。
彩「ちょっと待ってください!」
島村、それでも強引に唇を奪う。
抵抗する彩。顔を背けて、唇を島村から外そうとする。
彩「島村さん、ちょっと待ってください!」
彩の大声で、島村は少し冷静さを取り戻す。
島村「彩ちゃん、俺のこときらいか?」
彩「嫌いじゃないよ。だけど私たち未だ付き合っている訳じゃないから」
島村「付き合ってほしいと思ってる。俺、彩ちゃんがうちの課に配属になってからずっと好きだったから」
彩「島村さんの気持ち分かってた・・・・でも私、今未だ彼がいるから」
島村「こんなに彩ちゃんに辛い思いをさせるやつは彼なんかじゃないよ」
彩「・・・・・」
島村「だから、俺と・・・・・」
再び彩に顔を近づけ、キスをしようとする。
彩は、島村のキスを受け入れた。
そのとき、彩は俺と別れる決意をしたらしい。
彩は早くこの苦しみから逃れたかったらしい。
カーステレオはいつの間にか止まり、雨がフロントガラスをたたく音だけが響く。
キスをしながら、島村は彩が着ているジャケットのボタンを外す。
ジャケットに隠れていたブラが少しづつ見えてくる。
島村はボタンを全て外し終わると、ジャケットの前を両サイドに押し広げた。
息を呑む。
これが、ずっと想像してきた彩の身体だ。
ブラまで雨が染み透り、少し透けてて余計にいやらしい。
そっと胸に手を添え、ブラの上から頂上あたりを責めてみる。
彩が微かに反応をみせる。
それが、島村をより興奮させた。
さらに島村の手が彩のスカートを少しづつたくし上げる。
彩の白い下着がパンスト越しに現われた。
彩はしっかりと足を閉じている。
島村は閉じている足の間に手を入れ、こじ開けようとする。
彩「待って!」
島村「どうしたの?」
彩「やっぱり、今は未だダメです!」
島村「どうして?」
彩「私、彼と別れますから。それから島村さんときちんとお付合いさせてください。だからこれ以上は・・・・・」
島村「彩ちゃんのことが好きでこんなに興奮しているのに?」
島村は彩の手をとり、自分の股間へ導く。
興奮した島村の股間ははちきれんばかりに膨らんでいた。
島村は自らジーンズのベルトを外し、チャックを下ろすと愚息を取り出した。
島村「頼む、彩ちゃん触ってくれ!これくらいはいいだろ?」
直接、島村の愚息に彩の手が触れる。
島村「いいっ、もっと動かして」
言われたとおり、少しづつ動かし始める。
さらに島村の愚息が硬くなる。
島村の手が彩の胸に伸びる。
彩の手の動作が速くなる。
島村の手が彩のブラの中へ進入しようとする。
彩は少し身体を遠ざけ、それをさせまいとするが、島村の手はしつこく彩を追いかける。
そんな攻防を繰り返しているうちに島村は逝った。
ちょっとAVのようになってしまいましたが、
その日、島村を手で逝かせただけで、セックスはしなかったことは事実らしいです。
このときはフェラもしていないと言っていました。
後日、この話を聞いたときはやはり少し興奮している自分がいました。
夕暮れの空港のレストラン。
彩と俺が向き合って座っている。
彩はひと通り島村とのことを話すととびきりの笑顔を俺に向けた。
その笑顔に戸惑う俺。
彩の不意打ちの攻撃に言葉が出なかった。
沈黙が続く。耐えられなかった。
俺「彩」
彩「はい」
正直、心では彩を引き止めたい自分がいた。
だが、口からでた言葉はそれとは異なるものだった。
俺「わかった」
彩「ありがとう。これまでずっと」
俺は目頭が熱くなったが、唇を噛んで涙をこらえた。
俺「そろそろ、時間だぞ」
俺は伝票を手にとるとレジに向かった。
搭乗口前。
彩「じゃあ、行くね」
彩は笑顔だった。
俺「ああ」
俺も精一杯の笑顔をつくった。
心は女々しい自分で一杯だった。
俺にとって一度目の別れより、重かった気がする。
『もう一生会うことは無いかもしれない』そう思うと心が裂けそうだった。
搭乗口へ消えていく彩。
俺は黙って見送った。
最後に振り返った彩。泣いていた。
駐車場へ向かう俺は涙でぐちゃぐちゃだった。
思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡った。
全てはいい思い出ばかりで、辛かったことは1つも浮かばなかった。
家に帰ってからもボーっとしていた。
これでよかったんだと何度も自分に言い聞かせた。
別れようと自分でも決心したことだった。
それでも事実を受け入れることのできない自分がいた。
結果は同じでも自分の描いたストーリーとは全く異なっていた。
彩の気持ち。それが自分の中から欠落していたから。
俺の中ではふられたという思いだけが強く残っていた。
彩が東京に帰ったあと、ぽっかりと心に穴があいたまま、数日を過ごした。
こんな気持ちで智美さんに会うと自分なりに失礼だと思い、智美さんと会うことを避けた。
そうこうしているうちに嫌な噂を耳にした。
それは、同期の石川が智美さんに告白したという噂だ。
俺は焦った。
彩ばかりでなく智美さんまで失ってしまうのではないかと。
まだ、智美さんとは付き合っているわけでも、深い関係になっているわけでもないので、失う以前の問題なのだが。
俺はことの真意を探るため、智美さんではなく、石川を飲みに誘った。
二人で飲みに行くのは久しぶりだったので、暫くはくだらないことを話していた。
すると石川の方から智美さんの話題を出してきた。
石川「実はよ〇〇(俺)。俺、智美ちゃんに話したんだ」
俺「えっ、なんて?」
石川「俺と付き合ってって告白した」
俺(冷静を装いながら)「そうか。でどうだったんだ」
石川「実は未だ返事もらってないんだ」
俺はほっとすると同時に『なんで断らないんだ』という不安も過ぎった。
俺「お前、智美さんのこと本当に好きなのかよ?」
石川「本当に好きかどうかなんて、付き合って見なけりゃわかんねーよ」
俺(ちょっと冗談ぽく)「お前、智美さんの身体だけが目的じゃないだろうな」
石川「俺と智美ちゃん同じフロア-じゃん。実は毎日会うたびにあのときの智美ちゃんすげ-裸を想像しちゃって、狂いそうなんだ」
俺「だから告白したのかよ」
石川「あの身体を抱けたら、禁煙してもいいよ」
(石川はヘビースモーカーである)
俺「死んでもいいくらい言えよ!結局身体かよ」
石川「それもある」(笑)
石川と話しながら、未だ見ぬ智美さんの裸体を想像した。
ブラに包まれた深い谷間のある胸。ここまでは知っている。
少し垂れた胸。大きめの乳輪。薄い股間の茂み。
石川と大橋さんは知っている。
少し嫉妬した。
早く智美さんと会って、話をしなければ。
心の中でそう誓った。
数日後、俺は智美さんを食事に誘った。
二人で会うのは本当に久しぶりだった。
いろいろな話をした。
話をしながら、智美さんの愛くるしい笑顔に惹かれていく自分がいた。
この人と付き合いたいと思った。
石川のことを切り出そうと思ったが、なかなか切り出せない。
切り出せないまま、時間だけがあっという間に過ぎていった。
俺「クリスマスイブはなんか予定入っている?」
勇気を振り絞って聞いてみた。
智美「なにもないよ」
俺「俺と過ごさない?」
智美「・・・・・」
沈黙する智美さんに急に不安になる俺。
俺「俺じゃダメかな」
智美「ダメじゃないけど、それって付き合ってってこと?」
俺「あたりまえじゃん!」
智美「〇〇君、彼女はどうしたの?」
俺「この間、きちんとケジメつけてきた」
智美「ほんとに?私のために?」
俺「自分のために。俺、智美さんのことが好きだから!」
智美「ありがとう。でも少しだけ返事待ってくれる?」
俺「いいよ。いいよ。大事なことだからね」
正直すぐに返事がもらえると期待していただけにショックだった。
石川と比較されているのか。そうとも思った。
数日後、昼飯を一人で食べている石川と偶然会った。
俺は石川の前に座り、同じランチを注文した。
暫くして、食べ終わった石川が話し出した。
石川「俺、昨日智美ちゃんと飲みにいったんだ」
俺「えっ」少し動揺する。
石川「結局、断られちゃったよ」
俺「そうか、智美さん、なんて言ってた?」少し安心する。
石川「今、付き合ってないけど好きな人がいるって」
俺「誰か聞いたか?」
石川「俺の知らない人らしい。大学時代の先輩とか言ってた」
俺「あっそう」興味のないフリをした。
その日は一日中、悶々としていた。
石川を断ってくれたことはうれしい。
でも、『好きな人』『大学時代の先輩』ってなんなんだ。
俺と迷っていたのではないのか。
俺も石川と同じように断られるのか。
そう考え出すと止まらなかった。不安が俺の心を占め始めた。
家に帰ってからも一人で考えた。
俺は待ってられないと思い、智美さんに電話した。
俺「今から会いたいのだけど、迎えにいっていい?」
智美「えっ」突然の誘いに驚いている。
俺「少しだけでいいから」
智美「わかった」
俺は智美さんの家まで車を走らせた。
智美さんの家の前までくると携帯で智美さんを呼び出した。
智美さんが出てくると俺は中から助手席のドアを開けた。
智美さんが入ってくる。
俺「ごめんな。突然」
智美「大丈夫。でもびっくりした」
俺「親にはなんて言って出てきた?」
智美「何も言ってないよ。ちょっと行ってくるくらい」(笑)
智美「どうしたの?」
俺「ごめん。この間の返事がどうしても待てなくて」
智美「えっ、今日しなきゃダメ?」
俺「迷っているの?」
智美「・・・・・」
暫し沈黙。
智美「迷っている訳じゃないの。ただ恋愛に臆病になっているだけ」
俺「どうして、大橋さんのこと?」
智美「違うの」
俺「もしかして、大学時代の先輩?」
智美「どうして?」
俺「石川から聞いた」
智美「知ってたんだ、石川君のこと」
俺「ああ。俺も石川と同じように振られるんじゃないかと思って」
智美「石川君と〇〇君(俺)は違うよ。でも」
俺「でも?」
不安が再び俺の心を占める。
智美「私、大学時代~社会人1年目まで付き合っていた人がいるのね」
俺「それが、大学の先輩?」
智美「うん。テニスサークルの」
智美さんは自分の過去を少しづつ話し始めた。
智美は地元の大学に入学し、テニスサークルに勧誘され、そこで
1学年上の先輩、尾崎と出会う。
尾崎はサークルでも抜群にテニスがうまく、下級生たちの憧れだった。
なので、どっちかというと智美の方から積極的にアプローチしたようだ。
その甲斐あって、1年の夏、二人は付き合い始める。
智美が処女を失ったのもそのときのようだ。
尾崎との交際は順調だと思っていた。
だが、順調な期間もそんなに長くはなかった。
尾崎の浮気が発覚する。
しかも相手は同じサークルの智美の同級生。
智美は別れようと思ったが、尾崎が最終的に自分を選んだため、付き合いを続けることとなる。
その後も尾崎の浮気(遊び)は度々あったらしいが、智美も麻痺していたのか、
自分さえ我慢すれば穏やかな関係は続くと思ってたらしい。
でも、どうしても我慢できないことがあった。
それは、智美が社会人1年目のときのこと。
智美は仕事帰りに尾崎のマンションを訪れた。
その日は尾崎の誕生日だったので、尾崎のマンションで智美が手料理を振る舞う約束だった。
智美が尾崎のマンションに着いたとき、尾崎と同期のサークルの先輩が2人いて、3人で飲んでいた。
もちろん2人とも智美は面識はあったが、そのうち1人(伊藤)は智美があまり好きではない先輩だった。
何故智美が伊藤のことを好きではなかったと言うと
伊藤は酒癖が悪く、飲むとセクハラ魔になることで有名だった。
飲み会で被害にあった女の子は数知れず、智美も例外ではなかった。
ある飲み会ではスカートをみんなの前で捲られたりした。
ある飲み会では服の上からであるが背後から胸を揉まれたこともある。
それ以来智美はできるだけ伊藤の出席する飲み会は避けていた。
尾崎も伊藤ももう1人もかなり出来上がっていた。
尾崎「おかえり~」
伊藤「おっ、お嬢(サークルでは智美はこう呼ばれていたらしい)のお出ましだ!」
もう1人「待ってたよ!座って座って!」
智美は他の2人特に伊藤がいることで不快を感じたが、
今日は尾崎の誕生日ということもあり、我慢することし、尾崎の横に座った。
尾崎のマンションの一室。
男3人と智美。
智美が参加したことで、場は異常な盛り上がりをみせる。
伊藤「お嬢の到着にカンパ~イ!」
全員がグラスを一気に空ける。
智美が半分だけ飲むと伊藤から空けろ!と絡んでくる。
しかたなくグラスを空ける智美。
もう1人の男「尾崎の誕生日にカンパ~イ!」
また、全員がグラスを空ける。
こんな学生のノリで、数杯一気が繰り返された。
もともとそんなにアルコールに強くない智美だったが、
その日は会社帰りで疲れていたのもあり、すぐに酔いが回ってきた。
アルコールもビールから焼酎へと変わっていた。
2時間後にはもう1人の男はダウンしフロア-に寝てしまっていた。
智美も睡魔が襲ってきており、尾崎に寄りかかりながらうとうととし始めた。
夢うつつの中、尾崎と伊藤の会話が聞こえる。
伊藤「お嬢、寝ちゃったみたいだな」
尾崎「ああ、疲れてんだろ」
伊藤「かわいい寝顔してんなぁ。お前はいいよな。お嬢とやりまくってるんだろ」
尾崎「まあな」
伊藤「お前、××(智美の同期の女の子)もやったんだよな」
尾崎「ああ」
伊藤「お前、サークルの2代美女とやっておいて、『ああ』だけはねーだろ」
尾崎「××も良かったぜ」
伊藤「俺は絶対お嬢派だけどな」
「ところで、お嬢の身体ってどうよ。意外とおっぱいあるだろ?」
尾崎「ああ、でかいよ。正直、俺もびっくりした」
伊藤「だろう!たまんねーな」
尾崎「お前、智美のことが好きなのかよ?」
伊藤「最初にサークルに入ってきたときから目をつけてたんだ。なのに
お前がさっさともっていきやがったから」
尾崎「悪かったな。全然気がつかなかった」
伊藤「ちきしょう。この身体を自由にできるなんてお前が羨ましいぜ」
2人、寝ている智美の身体を眺める。
Tシャツ越しの胸のふくらみが艶かしい。
尾崎が背後から智美の胸を掴んで、服の上から愛撫を始めた。
意識の朦朧とした中で胸が触られていることははっきり分かった。
尾崎の手を掴み、愛撫を拒んだが、尾崎は許さなかった。
さらに服の上から激しく胸を揉みしだく。
正面から伊藤が食い入るように見入っているのが分かる。
尾崎「智美のおっぱい見たいのか」
伊藤(生唾を飲み込みながら)「ああ、見てぇ!」
尾崎、智美のTシャツの裾を掴み徐々に捲りあげていく。
「やめて」朦朧とした意識の中、抵抗するが力がでない。
Tシャツは完全に捲くられ、ブラに包まれた胸があらわになる。
伊藤が無言で食い入るように見ている。
さらに尾崎はブラをずり上げ、智美のおっぱいを完全に露出させた。
「おおっでかい!」唸るように声をあげる伊藤。
「だろっ」自慢気に直接胸の愛撫を続ける尾崎。
智美は恥ずかしくて消えたかったが、金縛りにあったように抵抗できない。
尾崎「触りたいか?」
伊藤(尾崎に懇願するように)「ああ、頼む」
伊藤の手が智美のおっぱいに伸びる。
「お願いやめて!」かろうじて声になったが、力が出ない。
ついに伊藤の手が遠慮がちに智美のおっぱいを触り始めた。
「おおっ、これがお嬢のおっぱいか。たまんね~!」
喚起の声をあげる伊藤。
そのとき、尾崎の手は既に智美のスカートの中で、下着越しに智美の秘部を
刺激始めていた。
智美は足を閉じて抵抗しようとしたが、尾崎に強引に開かれ、手を押し込まれてしまう。
尾崎「智美、感じているのか」
首を横に振り、抵抗をするが、やはり力が入らない。
そのうち智美の秘部が音をたて始めた。
伊藤「お嬢がこんなにエッチだなんて!」
尾崎は徐にズボンを下げると硬くなった自分のものを智美に舐めさせた。
もう智美に抵抗する力は残されておらず、素直に従う。
伊藤「おおっ、これがお嬢のフェラか。すげぇ!」
尾崎は伊藤の前で智美を立たせるとバックから強引に挿入した。
激しく腰を動かす。
尾崎「お前も入れたいか?」
伊藤「たっ頼む!」
尾崎はそう言いながら、我慢できず、いつもより早く逝った。
空かさず、伊藤が智美の秘部に硬くなった股間をあてようとする。
「やめて!」腰をずらして入れまいとする智美。
伊藤は智美の腰をつかまえ、強引に入れようとする。
抵抗むなしく、伊藤の股間が智美の中へ入ってきた。
涙が溢れて止まらなかった。
もうどうでもいいと思った。
何故こんなことになったのだろう。考えることをやめた。
ただ、もうこれ以上自分を傷つけるのはやめよう。
尾崎と分かれよう。
伊藤に激しく突かれながら、智美はぼんやりとこんなことを考えていた。
その日以降、尾崎との連絡を絶った。
ただ、メールで尾崎にもう会わないとだけ伝えた。
尾崎からは返信は無かった。
ほっとしたが、尾崎にとって、自分との付き合いはそんなものだったんだ
と思うと空しく、淋しかった。
そしてその1年後、大橋とのことがあり、智美の男性不信は益々深いものになっていた。
智美を大事にしたいと思った。
智美を引き寄せて、黙って抱きしめた。
どのように接することが大事にすることなのか分からなかった。
そのときはただ、ただ智美をじっと抱きしめ続けた。
「大事にするから」そう一言だけ言った。
智美は肩を震わせて泣いていた。
暫くして、智美が落ち着いたので、少しだけ彩の話をした。
辛かったことがメインだったと思う。
そして誰でもいろいろな過去を背負って生きていて、過去はどうでもよく、
これからどう過ごしていくのかが大事なんだみたいなことを言った。
今考えると歯の浮くようなセリフをよく言ったもんだと思うが、当時は必死だったと思う。
その甲斐あってか、智美はこれから俺と付き合っていくことを了承してくれた。
俺は智美に対しての性的欲求を押さえる決心をした。
大事にするってことはそれくらいしか思いつかなかった。
本当は、早く智美の身体が欲しくてしかたなかったが・・・・・
少し前途多難を予感させるスタートでしたが、智美と俺は付き合い始めた。
支店には社内恋愛はあまり歓迎しない雰囲気があったため、
2人が付き合うことは誰にも広言しないようにした。
クリスマスは見かけられないように県外まで出かけた。
その後2ヶ月は何ごとも無く過ぎていった。
俺たちの関係は、相変わらずお別れのキスだけだった。
もちろん俺にとってそれは不満ではあったが、不満と思わないよう努力した。
セーター越しに智美の膨らんだ胸元を見るたびに心の中で触りたいと叫んだ。
キスのときにも反射的に胸に伸ばそうとする手を必死で引っ込めた。
未だ見ぬ智美のおっぱいを想像し悶々として、1人で自慰に耽った。
結構辛かった。
そんな中、支店の若手メンバーでスキーに行くこととなった。
男4人女4人だったが、その中に大橋さんも石川もいた。
2人がメンバーにいることは自然であったが、
俺は若干の不安を感じずにはいられなかった。
ここで登場人物をもう2人紹介します。
美由紀さん:智美の同期、さっぱりした性格で姉御肌。
大橋さんのことが好き。
愛ちゃん:俺の同期。ちっちゃくて人懐っこい性格。
おじさんキラーと呼ばれている。
智美と愛ちゃんはスキーが初めてだったので、俺と大橋さんが
それぞれを個人指導をすることとなった。
有無を言わさず(必然的に)大橋さんは智美を俺が愛ちゃんを指導する
という組み分けに。
他の4人も最初は個人指導に付き合ってくれたが、だんだん飽きてきたらしく
さっさとリフトに行ってしまった。
取り残された2組。
智美は一生懸命、大橋さんに習っていた。
大橋さんは智美に密着して教えていた。
具体的に言うとストックを持たずボーゲンで後ろから智美が大橋さんに抱きついている状況である。
既に肉体関係のある二人が身体を密着している。
そんな目で俺は二人を見ていた。
楽しそうな智美を見て、正直嫉妬した。
愛ちゃんも智美たちと同じようにして滑りたいと言ったので、
俺も智美に見せつけるように愛ちゃんと密着して滑った。
愛ちゃんはとてもかわいかったが、俺は心から楽しめなかった。
愛ちゃんを指導しながらも、俺の目は智美と大橋さんを追っていた。
スキーの間、俺と智美が接することはほとんど無かった。
その日は、スキー場の近くの温泉地で一泊した。
俺たちは旅館に着くとスキーの疲れを癒すべくすぐに温泉につかった。
露天風呂に出ると隣りの女湯から智美たちの声が聞こえてきた。
石川は相変わらず、寒い中、覗き穴をさがしていたが、見つからなかったようだ。
残念そうに湯船に戻ってきた。
俺は、ほっとしたと同時に残念だとも思った。
まだ、俺は智美の裸体でさえ拝んだことがなかったのだから。
そして夕飯の時間。
その旅館は部屋食がとれたので、少し大きめの男部屋に用意してもらった。
俺たちは男女交合に4対4で向き合って座った。
なぜか俺と智美は対角上の一番遠い位置だった。
智美の隣りは大橋さん。智美の前は石川。
この配置に胸騒ぎがした。
食事の最中も智美と大橋さんは仲良くしていた。
少なくとも俺の目にはいちゃいちゃしているように見えた。
鍋のものを石橋さんのためにすくっている智美の姿にも嫉妬した。
自然なことなのに。
俺の隣りは愛ちゃんだった。愛ちゃんも俺に気をつかって、鍋をよそってくれたりしてくれていた。
智美から見たらこっちもいちゃいちゃしているように見えたかもしれない。
大したことは無かったのだが、ちょっと興奮したのでここで番外編を。
夕食の後、宴会が始まった。
結構もりあがって、みんなかなり飲んだと思う。
始まって1時間くらいで、焼酎のボトルが2本あっという間に空いた。
暫くして大橋さんが王様ゲームをやろうと言い出した。
普段であれば、社内で王様ゲームなんて考えられないところだが、
旅行先であることほろ酔いも手伝って、やる方向でもりあがった。
智美と愛ちゃんは王様ゲームがどのようなものかあまり知らなかったようだが、
ノリノリの美由紀さんの勢いもあって有無を言わさず参加することとなった。
最初は定石どおり、命令は一気飲みとかポッキ-の両端食いとか軽いもので始まったが、回数を重ねるたびに少しだけエキサイト。
この中で一番好きな人を言え!という命令には、石川が智美を、愛ちゃんが俺を言った。
石川が智美を好きなことは周知の事実であって、やっぱりという感じだったが、愛ちゃんのときは、皆興味津々で聞いた。
俺は、その日スキーで面倒を見てあげたのでそのお礼くらいにしか考えてなかった。
結局当たらなかったが、智美が当たったらどういうのかと思うとドキドキした。
またおっぱいネタで悪いのですが・・・・・
女性はブラのカップを言え!という命令には、
(石川が智美の大きさを聞きたくて出した命令なのだが)
皆恥ずかしそうに、
美由紀さんDカップ、愛ちゃんBカップ
一番言うのを抵抗したのが智美だった。
結局、美由紀さんがFカップであることをばらした。
そのとき、男性陣から歓声があがったことは言うまでも無い。
俺は、智美のカップにも驚いたが、美由紀さんが意外に大きいのにもびっくりして、少し興奮した。
あともう1つだけ、
男性陣からの今着けている下着の色を言え!という命令に対し、
智美は白にピンクの水玉、愛ちゃんは黒と恥ずかしそうに答えた。
愛ちゃんの容姿と下着の色のギャップに少しだけ萌えた。
さすがに社内なので、それ以上の命令はできず、王様ゲームは終了した。
以上番外編でした。
王様ゲーム後もバラバラと飲んでいると、愛ちゃんに部屋の外に呼び出された。
俺「どうした」
愛「話がある!」ちょっと怒っている様子。
俺「なに、なに?」
愛「〇〇(俺のことを呼び捨て)!あんた智美さんのこと好きなの?」
俺「いきなりなんだよ。どうして?」
愛「だって、今日、智美さんのことばっか見てたでしょ!」
俺「そんなことねーよ」
愛「じゃあ、智美さんのことはなにも思ってないの?」
俺(一瞬悩んだが)「ああ」
愛「そうなんだ、好きじゃないんだ!」
俺「・・・・・」
愛「じゃあ、私のことは?」
俺「えっ」
愛「さっき、告白したのに返事もらってないよ!」
俺「さっきのはゲームじゃん」
愛「本気(マジ)で告白したのに!」
俺「・・・・・嫌いじゃねーよ」(キッパリ言えない俺)
愛「そうなんだ、好きなんだ!やったー!」
俺「お前、酔ってるな?」
愛「酔ってないよ!マジだよ」
そのとき、部屋の外で立ち話している俺たちの横を智美が通りかかった。
智美と目が合う。
智美からちょっと睨まれた気がした。
なにも後ろめたいことは無いのになんとなく気後れして、視線を外した。
智美はそのまま女部屋の方へ消えていった。
変な誤解を与えてしまったか。
こんなことしている場合じゃない。
俺「とにかく、酔い覚ませよ!」
愛ちゃんにこう告げると俺は飲み部屋に戻った。
元の位置に戻ってまた飲み始めたが、なんとか智美と二人きりで話ができるチャンスは無いものかと思案した。
俺のところの輪は美由紀さんともう1人。
美由紀さんが独壇場で自らの恋愛論について展開していた。
おれは美由紀さんのDカップらしい胸を浴衣越しにみながら、他のことを考えていた。
智美は大橋さんと石川ともう1人(女性)との輪の中にいた。
そこに戻ってきた愛ちゃんが入った。
何か起きそうな気がしたが、特に愛ちゃんはなにも言わなかったようだ。
終わりそうも無い美由紀さんの講話を聞きながら、さり気なく立ち上がり、
トイレに向かうため、部屋の外にでた。
出るときに智美と目が合ったので、必死に目で『後から部屋の外に出て来て!』と訴えた。
トイレから出てくると廊下に智美が立っていた。
俺「よっ!」
浴衣姿が色っぽい。胸元はしっかり閉じてあるが、
帯の上からほんのりとカーブを描いたふくらみがある。
Fカップ、白にピンクの水玉のパンティ。思い出して少し興奮。
智美「呼んだでしょ」(笑)
俺「やっぱり分かった?さすがだね!」
智美「さっき、愛ちゃんと何話していたの?」
俺「なんでもねーよ。ただの世間話」
智美「うそ!告白されたでしょ」
俺「冗談でな!」
智美「冗談じゃないと思うなぁ、前にも愛ちゃん〇〇君のことが好きって言ってたもん」
俺「智美さんこそ、大橋さんと仲良くしすぎだよ!」
智美「えっ、普通に対応してたつもりだったのに」
俺「スキー場でも仲良すぎてちょっと嫉妬しちゃったよ」
智美「私に嫉妬してくれたなんてうれしいな。嫉妬したのは私だけかと思ってた」
少し酔っ払った口調で話す智美が愛しくて愛しくて仕方なかった。
思わず抱きしめたくなる自分を必死で押さえた。
その日は、それ以上のことは何も無く、最後は男女それぞれの部屋に戻った。
実は何も無かった訳ではなく、俺が寝入って知らなかっただけだった。
後日、会社帰りに飲んだときに発覚するのだが。
スキーから帰ってきた数日後、男だけで会社帰りに飲みに行った。
メンバーはスキーに行った男性陣。
王様ゲームのことなどを思い出し、盛り上がっていた。
俺「どう見ても美由紀さんはDカップないよな」
石川「いやいや、智美さんの例もあるから、脱いだら凄いかもしれん」
大橋「そういや、お前、智美のおっぱい見たんだったな」
俺の心の中『大橋さんだって、知ってんだろ!』
石川「智美さんだって普段はFカップもあるなんて見えないよな」
俺の心の中『もう智美のことは思い出すなよ!』
大橋「美由紀も脱がしたら案外いい女かもな」
俺はぼんやりと美由紀さんの裸を思い浮かべようとしたが、想像できなかった。
そんな話題があって、2軒目。
石川たちは帰り、俺と大橋さんだけになり、近くのバーに行った。
そこで大橋さんから衝撃的な話を聞いた。
スキーの夜、皆が寝静まったあと、大橋さんと美由紀さんはこっそりと抜け出し、風呂場でエッチをしたそうだ。
大橋さん曰く、美由紀さんから一緒に風呂に入ろうとの誘いがあり、
最初はエッチするつもりは無かったが、風呂場で美由紀さんの裸を見てムラムラときてやってしまったらしい。
乳はやはりDカップくらいはあって、綺麗だったとのこと。
恐るべし大橋さん。この男だけは警戒しなければ。
そう心に誓った。
智美と二人で食事をしているとき、この話を言いかけたが、
なんとなく智美が傷つくのではないかと思い、言うのを止めた。
智美との関係は順調であったが、相変わらず身体の関係は無かった。
俺としては、智美に会うたびにエッチしたくてたまらなかったが、
なんかタイミングを逃してしまって、きっかけが掴めないでいた。
そんな悶々とした日々が続いていた。
そんなある日、俺は高熱を出して会社を休んだ。
正直、病院から帰ると全身の震えが止まらないくらい熱が出て、
何も食べれない状態で一人で部屋で寝ていた。
そんな時、智美から電話があり、状況を告げると会社帰りに買い物袋を抱えて寄ってくれた。
そしておじやを作ってくれた。
俺は智美に冷ましてもらいながらなんとかおじやを食べると、
また深い眠りについた。
夜中に目が覚めた。おじやのおかげか熱もすでに下がっていた。
起き上がると側で智美がうつ伏せで寝ていた。
「帰らずに居てくれたんだ」
俺は押入れから毛布を出すと智美に掛けた。
寝顔がかわいかった。
このとき俺はこの子と一緒になりたいと本気で思った。
夜中に目が覚めた。おじやのおかげか熱もすでに下がっていた。
起き上がると側で智美がうつ伏せで寝ていた。
「帰らずに居てくれたんだ」
俺は押入れから毛布を出すと智美に掛けた。
寝顔がかわいかった。
このとき俺はこの子と一緒になりたいと本気で思った。
俺のマンションの部屋の中。時間は夜中の2時過ぎ。
智美が俺のベッドの端に寄りかかるように寝ている。
俺は思わず、智美の横顔にキスをした。
智美が目を覚ました。
智美「起きたんだ。大丈夫?」
俺は無言で智美を抱き寄せる。
唇を重ねようと思ったが、風邪がうつるといけないと思い額にキスをした。
もう我慢できない。
今度は背後から抱きしめながら、服の上から智美の胸を触った。
そこには華奢な身体には似つかわしくない膨らみがあった。
智美は一瞬『えっ』と驚いたように身体が強張ったが、すぐに俺に
身体を預けてきた。
俺にはそれが『いいよ』というサインに感じた。
俺は智美の胸を早く見たくて夢中で背後からセーターを捲くり上げた。
目の前にいつも想像して悶々としていた智美のおっぱいがある。
フルカップの白いブラに包まれ、深い谷間を形成している。
それだけで俺の鼓動はバクバクだった。
その下はうっすらとあばらが見えるほどやせている。
細く折れそうなウエスト。
こんな華奢な身体にどんなFカップがついているのだろうか。
そう考えるだけで病み上がりにもかかわらず、俺の股間はいつも異常に固くなっていた。
楽しみは最後にとっておいて、俺は智美の黒いスカートを捲る。
パンスト越しに薄っすらとピンクの水玉が見える。ビンゴ!
たまたまだったと思うがスキー旅行の夜に履いていたのと同じ下着。
うつむきながら恥ずかしそうに答えていた智美の姿を思い出し、
さらに興奮する。
俺は少し強引にパンストと下着の下に手を突っ込んだ。
少し薄目のヘアの手触り。手はさらに奥へ。
割れ目を捉えて、軽く指で押してみた。「くちゅ」
既に智美の股間は濡れていた。
その音を聞いて恥ずかしそうにうつむく智美。
さらにゆっくりと奥まで指を差し込む。
さらにもう一本。二本でも抵抗無く奥まで挿入することができた。
「あっ」微かに声を漏らす智美。
その姿がたまらず、もっと虐めたくなる。
ゆっくりと二本の指を動かし、刺激しながら出し入れする。
智美の声がだんだん大きくなる。
声を殺すことをあきらめたようだ。
ストロークの速度を上げる。
智美「だめ、だめだよ」
俺は止めない。
智美「ほんとにだめ、止めて!」
俺は止めない。
智美「ああっ、もうだめ。お願い止めて!」
俺「いいよ。我慢しなくて」
さらに速く。それを合図にするように智美は逝った。
恥ずかしそうにうつむく智美。
俺は智美の額にキスをした。
そして智美のセーターを万歳させながら脱がす。
そしていよいよブラへ。抱きしめるように手を後ろに回しホックを外す。
その瞬間ブラが上にずり上がり、下から乳房が顔を出した。
華奢な身体に張り付くように少し垂れ気味の大きな乳房。
その先端には大きめの乳輪。
普段の智美からは決して想像できないえっちなおっぱいだった。
「やん。あんまり見ないで」
智美が恥ずかしそうに両手でおっぱいを隠した。
その姿に俺は理性を忘れて、智美のおっぱいに吸い付いた。
微かに声を上げる智美。
おっぱいに吸い付きながら、智美の手を自分の股間へ導く。
固い股間に触れた瞬間、智美は驚きの反応を見せたが、すぐにやさしく触り始めた。
それだけで逝きそうになる俺。慌てておっぱいから顔を外す。
このままおっぱいに触れているとパンツの中で逝きそうだったから。
俺「舐めて」
黙って頷く智美。
俺のズボンとトランクスを下げ、いきり立った愚息を取り出すと
右手を添えながら、先から少しずつ咥え始めた。
智美のフェラは予想を反して上手くてびっくりした。
フェラされながら、胸を触っていたが逝きそうになったので、慌てて触るのを止めた。
そして、ゴムを付けるとゆっくりと智美のしっとりと濡れた股間に愚息を埋めた。
この瞬間、快楽とともに嫌なことを思い出した。
尾崎、伊藤、大橋。
俺以外にこの感触を知っている人間が少なくとも3人いる。
そんなことを考えている自分自身に困惑した。
過去は過去ってかっこよく割り切ったのではなかったか。
もう忘れろよ!目の前の智美を見てやれよ!
尾崎、伊藤から受けた恥辱。大橋さんとの一夜。
腰を動かしながら、そんなことを考えていた。
智美は続けざま2回は逝った。
それを見届けると俺も逝った。
付き合い初めて4ヶ月、ようやく智美と1つになることができた。
うれしかった。ほんとにうれしかったと思う。
うれしくて何度も何度も智美を抱きしめた。
だけど、智美の過去に拘っている自分がいた。
そんな自分が嫌だった。
忘れようと自分に言い聞かせた。
九州に配属になって1年が過ぎようとしていた。
智美との関係はその後順調で、週1回のデートが楽しくてしかたなかった。
デート夜は智美の身体に溺れた。
智美との身体の相性は良かったと思う。
ただ、たまに智美を抱きながら、智美の身体を通り過ぎてった男たちのことを考えた。
少しだけ興奮して燃える自分がいた。
そんな自分に嫌悪感を感じることもあったが、自分の趣向を認めつつもあった。
そんな中、支店に新人が配属されてきた。しかも智美のセクションに。
新人の名前は平山といった。体育会系のさわやかな男だった。
俺は平山と気が合って頻繁に一緒に飲みに行くようになった。
平山も同じセクションの先輩の石川よりも俺のほうを慕ってくれていた。
俺も平山をかわいがった。
ある日、支店の男5人くらいで飲んでいたとき、少し酔った平山が突然切り出した。
平山「智美さんって、付き合っている人いないんですよね?」
俺「突然どうした?」
平山「いないんだったら、俺、立候補しようと思ってるんです」
石川は苦笑いしている。
大橋「いないんじゃないのか。その後浮いた話は何も聞いてないよな。石川」
石川はさらに苦笑い。
平山「石川さん、智美さんと何かあったんですか?」
石川「なにもねーよ!」
大橋「石川のやつ、去年、智美に振られてるんだよ」
石川「言わなくてもいいじゃないですか」
平山「石川さん、今でも智美さんのこと好きなんですか?」
石川「もうなんともねーよ」
平山「ありがとうございます!」
『ありがとうってなんだよ』心の中でつぶやく俺。
他の男「それにしても智美のファンって多いよな」
平山「そんなにライバル多いのですか?」
他の男「智美に夢中なおじさん連中多いよな」
大橋「そういやうちの課長もこの間、智美が上がってきたときに
『あの子どこの子や?かわいいなぁ』って言ってたもんなぁ」
平山「皆さんはどうなんですか?」
大橋「まあ、あの乳はええけどなぁ。〇〇(俺)!」
俺「ええ、まぁ」ちょっと動揺した。
平山「智美さんって結構胸ありますよね」
他の男「ああ見えてもでかいらしいぞ!なあ石川!」
平山「石川さん、見たことあるのですか?」
他の男「石川、話してやれよ」
石川は少し自慢気に去年温泉で覗いた話をし始めた。
平山だけでなく、他の男たちも食いつくように話を聞いていた。
俺は、もう忘れろよ!と思いつつもいつも抱いている智美の身体に皆が興味をもっていることに対し、少しだけ優越感を感じずにはいられなかった。
平山は石川の話に目を爛々と輝かせながら聞き入っていた。
おまえもおっぱいフェチか。
この時、俺は平山に対しその程度しか思ってなかった。
後日、この男の存在が俺の人生に大きな影響を与えることになるなんて夢にも思っていなかった。
俺は、ほとんど石川の話は聞いておらず、焼酎を飲みながら、ぼんやりと
次の智美とのデートはどこに行こうかなんて呑気に考えていた。
それから数ヶ月は特に波風もなく、俺たちは順調な交際を続けていた。
・・・・・と思う。
特筆する出来事があるとすれば、支店の若手の男女で海に行った。
石川が企画したものだが、おそらく智美の水着姿見たさだと思う。
だが、智美は競泳用っぽい水着で、しかもTシャツを決して脱ごうとせず、
身体のラインをしっかりと隠していた。
海にも膝くらいまでしか入らず、ほとんどパラソルの下で座って過ごしていた。
それは、多くの男達を落胆させたに違いない。
一方、美由紀さんは結構大胆だった。
濃い赤色のビキニだったが、隠すこともなく、その胸元にはしっかりと
した谷間があった。
あながち自己申告Dカップはうそではないようだ。
俺は海で戯れながら、Dカップを意識せずにはいられなかった。
また、Bカップの愛ちゃんはピンクのビキニだった。
浜辺で砂遊びをしているときにブラが少し浮き気味だったので、
ビーチクが見えないだろうかと角度を変えてチャレンジしたが、
残念ながら拝むことはできなかった。
このような場では、俺と智美は一緒にいないよう心がけていた。
必然的に俺は他の女性と戯れていることが多くなり、
智美が座っているパラソルの下には、一緒に他の男が引っ切り無しに交代で座って話をしていた。
そのときはそんなに気にはならなかったが、今思えば平山が智美の隣りにいる時間は長かった気がする。
最後の方になって、あまりに智美が海に入らないため、他の女性陣が無理やり、波打ち際まで連れてきた。
一斉に男性陣が水を掛ける。
智美は逃げたが、一瞬にしてTシャツがびしょびしょに濡れた。
濡れて身体に張り付いたTシャツがちょっとエロかった。
そんな智美の姿を見ると抱きたくてしかたなかった。
その日も家に帰るとすぐ智美に電話した。
早く今日一日触れられなかった身体に思う存分触れたかった。
その思いを智美にたたきつけようと思っていた。
LuLuLu・・・・・・コールはするものの電話は繋がらない。
未だ着いていないんだ。
30分後、再び電話してみる。繋がらない。
1時間後、繋がらない。
期待が焦りに、そして怒りに変わっていく。
何してんだよ!イライラしている俺。
さらに1時間。智美からの連絡はない。
怒りは諦めに変わっていた。
夜の10時頃、ようやく智美から電話があった。
智美「ごめん。電話くれたよね」
俺「ああ、何してたんだよ?」
智美「帰りに平山君とご飯食べてた」
俺「平山と二人で?」
智美「うん。みんなを家まで送ってって、私が最後で、平山君、一人で夕飯食べるの嫌だから、少しだけつきあってと言われたから」
俺はイラっとした。
俺「そうなんだ。わかった。もういい」
智美「怒っているの?」
俺「べつに」
智美「今からそっちに行こうか?」
俺「もうおせーから、いいよ。じゃあな!」
電話を一方的に切る。意地っ張りな俺。
ほんとは来て欲しかった。
いいと言ったけど、智美は俺を察してこっちに来てくれるのではないか。
そんな自分の都合のいいことを考えた。
少しだけ期待して待っていたが、
その日、智美が俺のマンションに来ることはなかった。
次の日、会社帰りに智美が俺のマンションにやってきた。
智美の笑顔を見ると、昨日の怒りはほとんどなくなっていた。
智美「昨日はごめんね」
俺「いいんだけど、電話くらいでろよな」
智美「〇〇君からの電話って分かってたのだけど、平山君から怪しまれるといけないと思って出れなかったの」
俺「ちょっと席外して、掛けなおしてくれればよかったのに」
智美「食事終わったらすぐに帰るつもりだったから・・・・・ごめん」
俺「もういいよ。昨日会いたかったから」
智美「妬いてくれてたんだ。ちょっとうれしい!」
俺「妬いてねーよ」
正直、この時点でおれは、智美と平山を疑うことすらしていなかった。
ただ自分の思うようにならなかった昨夜に苛立っていただけだった。
今の智美が他の男を受け入れるなんて想像もできなかった。
その夜は昨日の思いを智美に叩きつけた。
智美の濡れて身体に張り付いたTシャツ。
ちょっとエッチな身体のライン。
昨日の智美の姿を思い出していつもよりも興奮した。
それに呼応するように智美もいつもより感じていいたようだった。
あっという間に夏が過ぎ、秋になった。
俺たちの交際は順調に時を重ねていった。
そんな土曜日の夜のこと。
その日は智美が友人の結婚式か何かで会うことができず、一人でのんびりと過ごしていた。
夜の10時頃だったと思う。『ピンポーン』突然ドアホンが鳴った。
出てみると美由紀さんだった。
正直、びっくりした。今まで一度たりとも一人で俺のマンションに来ることなどなかったから。
俺「どうしたの?」
美由紀「ちょっとだけ時間いい?」
俺「いいけど、どこか行く?」
俺は部屋に上げることを若干ためらった。
美由紀「少しだからここでいい」
俺「ここじゃなんだから、上がって」
さすがに玄関口ではと思い美由紀さんを部屋の中に導いた。
美由紀さんをテーブルに座らせると俺はコーヒーを入れた。
コーヒーを二つ持って座る。
俺「なにかあったの?」
美由紀「なんでもないけど、ちょっと〇〇の顔が見たくなった」
少しだけつくり笑顔。
俺「冗談!そんな訳ねーだろ。なんかあったんだろ?」
美由紀「・・・・・」
少し泣きそうな顔。
俺「俺でよかったら聞くよ」
俺のマンションの部屋。
俺と美由紀さんがテーブルを前に座っている。
俺「俺でよかったら聞くよ」
美由紀さんは少しずつこれまでのことを話し始めた。
美由紀さんは大橋さんが支店に配属されて以来ずっと大橋さんのことが好きだったらしい。
だが、自分から言い出すこともできずにいたずらに時だけが過ぎていった。
そして迎えたスキー旅行。
美由紀さんは少し酔った勢いも借りて、大胆にも深夜大橋さんを誘い出した。
夜中二人で話しているとなんとなく風呂に一緒に入ろうということに。
そして、湯船に浸かって話しているとなんとなくそんな雰囲気になり関係をもってしまったとのことだった。
それから週に一回はデートし、その度に大橋さんに抱かれた。
大橋さんは美由紀さんに好きだとか付き合おうとか何も言わなかったが、
美由紀さんは大橋さんと付き合っているつもりで抱かれていた。
美由紀さんと大橋さんの関係があれから続いていたなんて。
美由紀さんの方をみるとにセーターを押し上げている胸のカーブが見える。Dカップらしい。
ふと海での美由紀さんの赤いビキニの胸元を思い出した。
この胸を大橋さんが好き放題にしていると思うと少し嫉妬した。
美由紀さんの話に戻ります。
その後、デートと関係を重ねるが、相変わらず大橋さんは何も言ってくれない。
たまりかねた美由紀さんは大橋さんに自分とこれからどうするつもりか聞いてみた。
大橋さんはハッキリと
「将来のことは分からないが、今が楽しければいいじゃないか」
と言ったらしい。
不安になった美由紀さんは
「私たち付き合っているんだよね?」
と聞いてみる。
すると意外な言葉が返ってきた。
大橋「美由紀は付き合ってたと思ってたんだ?俺はそんなつもりは
なかったよ。誤解させてごめんな!」
唖然とする美由紀。
言葉が出なかった。
外へ駆け出す美由紀。歩きながらくやしくて涙が出てきた。
どこへ向かうのか。
気がついたら俺のマンションの下にいた。
恐るべし大橋。
普段はスマートでやさしいジェントルマンなのに
ここって時には冷たい言葉を言い放つことができる男。
俺は智美のこととタブらせ、怒りの気持ちもあったが、
少しだけ羨ましいとも思った。
ふと顔を上げると美由紀さんはこっちをじっと見ていた。
少し潤んだ目。長いまつ毛。
そして膨らんだ胸元。
俺は引き込まれそうだった。
俺はそんな気持ちを押し込んで声を掛けた。
「プリンあるけど食うか?」
顔を上げる美由紀さん。ちょっとだけ笑った。
美由紀「食べたい!」
俺「いいよ!取ってくるね」
立ち上がって台所へ行ってスーパーで買ってきた3個入りの
カスタードプリンを持ってくる。
俺「1個でいいか?なんなら全部食っていいぞ」
美由紀「1個でいいよ!あたしを太らせるつもり!」
二人で笑った。
美由紀(プリンを食べ終わる)
「そろそろ帰るね。突然押しかけてごめん。でも少しだけ気持ちが落ち着いた。
ありがとう」
俺「なんも力になれんけど、自分のことは自分で整理つけるしかないからな」
美由紀「わかった」
俺「遅いから家まで車で送ってったるから」
いつの間にか夜中の1時をまわっていた。
美由紀「ありがとう」
二人マンションを出て、駐車場へ。
美由紀さんの家までドライブ。
車の中では、全然別の話をした。
たぶん音楽やテレビ番組の話だったと思う。
程なくして美由紀さんの家に着いた。
俺「じゃあな。元気出せよ!」
美由紀「・・・・・」
返事が無いので、美由紀さんの方を見る。
美由紀さんの顔が近づく。
「ありがとう」
美由紀さんはそう言って俺の頬にキスをすると
「バイバイ!」
と言ってドアを開け、駆け去っていった。
車中に一人。
ちょっとだけぼーっとしていた。
キスされた頬を軽く触ってみた。
なんとなく暖かい気持ちになった。
美由紀さんに何もしなかったことを少しだけ後悔している自分がいたが、
これで良かったと自分に言い聞かせた。
帰りのドライブの途中で何故かふっと彩のことを思い出した。
別れてからもう1年が経とうとしていた。
それから数日後。
平山(後輩)と夕飯を食っていた。
平山「〇〇さん(俺)の噂を耳にしたのですが」
俺「俺の?なんだよ?」
平山「美由紀さんと付き合っているんですか?」
俺に動揺が走る。
俺「なっなんでそうなってるんだ?」
平山「俺もびっくりですよ。美由紀さんは大橋さんと付き合っていると
思ってましたし、〇〇さんは智美さんが好きかと思ってましたから」
『お前、鋭いな!』心の中でつぶやく。
俺「俺と美由紀さん?そんなんある訳ねーやろ」
この前の頬へのキッスが頭を過ぎる。
平山の追求は続く。
平山「この間、夜中に〇〇さんのマンションから美由紀さんと〇〇さんが
手を繋いで出てくるところを見かけた人がいるらしいですよ」
『しまった!あのときを目撃されてしまったか!でも手なんか繋いでねーぞ!』
心の中でつぶやく俺。
俺は悩んだ。
弁明すべきか。ほっておくべきか。
弁明するには、美由紀さんと大橋さんとのことを話さなくてはならなくなる。
そうすると美由紀さんが傷つく。
話すべきではない!そう決意した。
俺「そんなことある訳ない!俺は美由紀さんのことは何も思ってないよ!」
平山「そうですよね。俺も話し聞いたとき何かの間違えと思ってました」
そうは言ったもののちょっとだけ不安を感じている俺がいた。
平山「ところで、〇〇さんは智美さんのことはどう思っているんですか?」
突然の攻撃に動揺が走る。
俺「べつに何とも思ってね-よ!」
平山「そうですか。安心しました」
それ以上は美由紀さんのことも智美のことにも触れなかった。
平山と別れた後、俺の心にもやもやが残っていた。
数日後、久しぶりに智美と飯食いに行った。
気のせいか、二人の会話がなんとなくぎこちない気がした。
もしかして、智美は美由紀とのうわさを聞いて知っているのか。
そして気にしているのか。そう感じた。
でも俺から話すことでも無いとも思ったし、俺から話すと
言い訳じみた弁明に聞こえるのではないかと思い、何も切り出さなかった。
俺は極力、普通に接することを心がけた。
だが、やはり智美はいつもと違っていた。
俺「そろそろ俺んちに行こうか」
俺はいつものように愛し合うべく俺のマンションへ智美を誘った。
智美「・・・・・」
俺「どうした?」少し不安げな俺。
智美「今日は行かなくてもいい?」
俺「なんで?」さらに不安になる。
智美「どうしても」
不安も大きかったが、一方、今日は智美が抱けると悶々としていた
気持ちもあり、それができないイライラもあった。
俺(ちょっと切れ気味に)「それじゃあ、わかんね-よ!」
智美、席を立って「自分の胸に聞いて!」
と言って、入口の方へ歩き出す。
俺「ちょっと待てよ!」
俺は慌てて会計を済ますと智美の後を追いかけた。
店の外に出たが、智美の姿は見えない。
智美が乗り降りするバス停まで必死で走る。
バス停のベンチに智美は座っている智美を見つけた。
智美の隣りに座る。
俺「美由紀さんのこと聞いたのか?」
智美「・・・・・うん」
俺「誰からどういう風に聞いたんだよ?」
智美「美由紀から」
俺「えっ?なんて?」
智美「〇〇君(俺)のマンション行って、キスしたって」
それって、端折りすぎじゃねーか!
話の流れとしては、
智美は、美由紀さんと俺が付き合っているのではないかという話を
平山から聞いたようだ。
気にはなったものの、俺に聞いてみるまでは信じないつもりでいた。
ところが、昨日、美由紀さんと会う機会があって、美由紀さんから
俺のことについて智美は相談されたらしい。
で相談されたことが、
先日、俺のマンションに行って、お茶しながら、いろんな話をして、
やさしさに触れて、俺のことが少し好きになりかけたらしい。
部屋の中では何もなかったが、家まで送ってくれて、最後に
車の中でキスして別れたとのこと。
美由紀さんは「心を〇〇君の車の中に残してきてしまった」
と智美に言ったらしい。
確かに間違ったことは何一つ美由紀さんは言っていない。
だが、真実とは違う。
俺はどのように智美に話を伝えるべきか悩んだ。
1つ間違えれば、単なる言い訳じみた弁明になってしまう。
俺はあの夜のことを自分の気持ちを織り交ぜながら、1つ1つ智美に話した。
夜のバス停のベンチ。
俺が話している間、智美は黙って下を向いて聞いていた。
智美が傷つくと思い、美由紀の相手が大橋であることは伏せて話をした。
ひと通り俺の話が終わると智美は大きく頷いて、
「わかったわ」と言った。
少しほっとする俺。
そのとき、バス停の智美の乗る最終バスのランプが点滅しだした。
智美「今日は帰るね」
俺「わかった。次いつ会えるか?」
バスが近づいて来て、止まった。ドアが開く。
智美「また、連絡するね」
そう言うとバスのステップを駆け上がった。
智美を乗せたバスが立ち去る。
俺は一人取り残された。
その日は歩いて家まで帰った。
帰りながらいろいろなことを考えた。
智美は本当に分かってくれたのだろうか。
少し不安になった。
不安になればなるほど智美を抱きたくてたまらない気持ちになった。
智美のエッチな身体を思い浮かべて悶々とした。
なんとなく智美を失ってしまうのではないかと言う不安が過ぎった。
こんな些細なことで、智美を失ってたまるかとも思った。
それから3日間、智美からは連絡がなかった。
俺は悶々としていたものの、なんとなく俺からは連絡しずらいものがあった。
4日後の午前中、俺は年に一回の健康診断のため、近くの総合病院に石川と行った。
偶然にも智美も他の女の子達と来ていた。
智美と会うのはあの夜以来だ。
俺「おう!」
智美「久しぶり」
なんとなくぎこちなかった。
傍からみれば、おかしな二人だったかもしれない。
レントゲンを待っていると石川がうれしそうに俺のところにやってきた。
石川「朝から、ラッキーだったな!」
俺「どうした?」
石川「お前、見なかったのかよ」
俺「何をだよ?」
石川「智美の胸ぽち」
俺「見てね-よ」
石川「あいつら、診察着の下はノーブラだぜ!」
俺「ほんとか?」
石川「さっき、智美とすれ違ったとき胸ぽちしてたぜ。たまんねー」
正直、俺も見たいと思った。
そう言えば、もう2週間以上も智美を抱いていない。
俺はフロア-を見渡して智美を捜した。
智美は俺たちから一番離れた椅子に一人で座っていた。
チャンスだ。
俺は立ち上がり、智美の隣りに座った。
俺「どこも悪いところ無さそうか?」
そういいながら、智美の胸の部分をチラ見する。
智美「うん。大丈夫そう。〇〇君は?」
美由紀の件をひきずっているのか、人前だからなのか会話は相変わらずぎこちない。
俺「俺は健康そのものだよ!」
そういいながら、智美の胸を凝視した。
確かに緩やかにカーブを描いた診察着の頂上に突起らしきものがある。
少し下目だが、それは間違いなく乳首に違いない。
少し興奮した。
俺(小声で)「お前、今ノーブラか?」
智美「えっ?」
俺「乳首たってっぞ!」
智美(胸を押さえながら)「いやん。〇〇のえっち!」
その姿に萌えた。
その会話で少し関係が元に戻った気がした。
早く智美を抱きたいと思った。
診察着の下にあるその大きな胸を思いっきり揉みたいと思った。
俺「今日、会社終わったら、車で迎えにいくから!」
そう言い残すと智美の返事も聞かず、立ち上がり、石川の所へ戻った。
久しぶりに智美を抱ける。
このことしかもう頭の中には無かった。
夜が待ちどうしかった。
湖に面する公園の駐車場。
車内には俺と智美がいる。
俺たちは食事をした後、ここに立ち寄った。
この場所は、俺と智美が付き合うこととなった原点。
俺はここで智美を大事にしたいと思った気持ちを思い出そうとしていた。
俺「俺たちあの時と何も変わってないよな」
智美「〇〇君は?」
俺「俺は全然変わっていない。智美のこと大事に思っている」
智美「ほんとに?」
俺「うん」
智美「最近、なんか寂しかったから」
俺「美由紀さんのことこだわってないよな?いやな思いさせてごめんな」
智美「もう大丈夫。〇〇君の気持ち聞けたから」
ウルウルした瞳で俺を見つめる。
俺は智美の唇に唇を重ねた。
そして、智美の胸に手を当てる。
智美の鼓動が伝わる。鼓動がいつもより早くなっている。
そのままゆっくりと手を動かす。
久しぶりの智美に触れた。相変わらずたおやかである。
シャツとブラをそのまま擦り上げてそのたおやかなおっぱいを露出させる。
そしてその頂上に固くなった乳首に唇を這わせた。
微かに声を漏らす智美。
その時点で俺の股間は固くなっていた。
それに気づいたのか、智美は自ら俺の股間に手を当て擦りだす。
智美「おっきくなってるね」
そういいながら、俺のジーンズのファスナーを下ろしだした。
智美「してほしいの?」
無言で頷く俺。
智美はジーンズとトランクスを一緒にさげると俺の股間に顔を埋めた。
そしてゆっくりと手と舌を使いながら動かし始めた。
智美「気持ちいいの?」
俺「・・・・・」あまりに気持ち良すぎて声がでない。
智美は少しずつスピードを上げていく。
智美は尾崎に仕込まれたのか、ほんとにフェラがうまかった。
逝きそうになりながら、俺はいろんなことを考えた。
尾崎、伊藤、大橋。
智美の身体を駆け抜けていった男達のことを。
石川、平山。
智美に興味をもっている男達のことを。
また、平穏な日々が戻ってきた。
雨降って地固まるとでも言うのであろうか。
俺と智美の距離は以前よりも近くなった気がした。
美由紀さんともあの夜以来、特に何もなかった。
そうなるとあの夜、おっぱいくらい触ってもよかったんじゃないかと
少しだけ後悔している自分はいたが・・・・・
智美の課は、毎年必ず課旅行をやっている。
去年、石川が智美の裸を覗き見したときの旅行だ。
今年も例年どおり企画されていた。
幹事は石川。
石川は苦々しくも去年と同じ温泉旅館を予約していた。
智美の課は、毎年必ず課旅行をやっている。
去年、石川が智美の裸を覗き見したときの旅行だ。
今年も例年どおり企画されていた。
幹事は石川。 石川は苦々しくも去年と同じ温泉旅館を予約していた。
*************ここからでしたね。
平山ももちろん智美と同じ課なので、参加するだろう。
また、智美の裸を石川に見られてしまうかもしれない。
そして、今年は平山もいる。
俺は智美に言うべきかどうか悩んだ。
旅行前に石川と飲んだ。
俺は旅行の話をやつに振ってみた。
俺「お前らの課はいいよな。毎年旅行があって」
石川はすぐに乗ってきた。
石川「だろー!俺はこの日を1年間待ってたんだぜ」
俺「また同じ場所らしいな」
石川「あったりめーだよ。あんなおいしい場所なんかそうねーよ」
俺「また覗くつもりかよ?」
石川「そのために反対派を押し切って、例の旅館にしたのだから」
俺「うらやましいな」
石川「だろ-!智美ちゃんの裸がまた見れると思うとすげ-興奮するぜ」
俺「お前、まだ智美さんのことが好きなのか?」
石川「ああ。あの裸体を思い出すとたまんなくなる。最近記憶が薄れてきたけどな」
俺「あいかわらずだな。それに今年は千佳もいるしな」
千佳は智美の課の今年の新人である。
安達祐美似で結構かわいいと思う。ちなみにおっぱいはあまりなさそう。
石川「おう。千佳の裸も絶対覗いてくるぜ!」
千佳のかわいい顔を思い浮かべた。石川が少しうらやましいと思った。
石川「本命は智美ちゃんだけどな」
俺「あんまり無茶してばれんなよ」
石川「任しとけって、お前には報告してやっからな」
俺「ああ」
智美の裸を思い浮かべた。
華奢な身体に不釣合いなおっぱい。
その大きさと柔らかさからか、少しだけ垂れている。
そして少し大きめの乳輪。色はちょっと薄目の茶褐色。
下腹部の恥毛は結構濃い目だと思う。
このえっちな身体をまた、石川に見られてしまうかもしれない。
正直、嫌だと思う気持ちは半分くらいだった。
彼女の裸が他人に見られることへの期待感もあった。
少し興奮した。
俺は男の友情をとって、智美には何も言わなかった。
このとき、平山のことは俺の頭の中には無かった。
石川になら見られてもいいやくらいに軽く考えていた。
そして課旅行の日を迎えた。
ここからは後から聞いた石川の話を基にリアル展開します。
金曜日の夕方、仕事を早めに切り上げた一行は旅館に到着した。
到着して、部屋へのチェックインを済ませると石川は急いで離れの露天風呂へ向かった。
造りは1年前と変わっていなかった。
脱衣所の仕切りの垣根を調べる。
『あった!』
1年前にお世話になった隙間は健在だった。
何時間後かにはここから智美ちゃんや千佳ちゃんの裸体が覗ける。
そう思うと股間が熱くなった。
部屋に戻ると平山がいた。
石川と平山は同じ部屋だったらしい。
平山が石川に近づいてきて、小声で話し掛ける。
平山「この旅館ですよね。去年、石川さんが智美さんの裸を見たのは」
石川「まあな」素っ気無く答える。
平山「今年は俺も仲間にいれてください」
石川「タイミングが合えばな」めんどくさそうに答える。
平山「よろしくお願いします!」
こんなやりとりがあったらしい。
程なくして、宴会が始まった。
女の子達も浴衣を着てきたものの、誰も風呂には未だ入っていないようだ。
時間が経つにつれて、宴会を中抜けして、風呂に行く人も増えてきた。
石川は智美の同行を追う。
5人くらいで輪になってお酒を飲みながら話をしている。
未だ、風呂には行っていないようだ。
平山も同じ輪の中にいた。
やつも智美をマークしているのだろうか。
千佳も未だ宴会場にいた。
千佳の裸も見てみたい。
宴会も佳境にさしかかったころ千佳が立ち上がった。
どうも風呂に行くようだ。
石川はトイレに行くふりをして宴会場を離れた。
先にロビーに出て、千佳を待つ。
暫くして、他の女の子と二人で千佳が現われた。
やはり露天風呂へ行くようだ。
自分も風呂に行くふりをして、少し間をあけて二人を追う。
二人が女湯の暖簾に消えていくのを確かめて男湯の暖簾をくぐった。
脱衣所には他の団体の客が2名。
すでに風呂上がりで備え付けの葦の椅子に腰掛けてくつろいでいる。
すぐに出て行きそうな雰囲気はない。
さすがにこの状況で覗く訳にもいかない。
時間だけがいたずらに過ぎていく。
千佳たちはもう露天風呂の方へ行ってしまっただろう。
石川は千佳の裸を見ることは断念し、宴会場へもどった。
本命の智美は未だ飲みながら談笑していた。
石川は飲みながら、智美が立ち上がるのをひたすら待った。
ようやく智美が立ち上がった。
会話に耳をすます。やはり、風呂へ行くようだ。
智美が宴会場を出て行くのを確認すると石川は急いで部屋に戻って
風呂の準備を整えてロビーに向かった。
ロビーのみやげ物を見るふりをしながら智美の登場を待つ。
ついに智美が現われた。
遅い時間のせいか、一人きりである。
間隔をあけて、智美の後ろをついて行く。
そして、智美が女湯の暖簾をくぐったのを確認すると
石川は男湯の暖簾をくぐった。
幸運にも男湯には誰もいなかった。
石川は心の中でガッツポーズをした。
急いで、垣根の隙間に目を当てる。
少し長めの髪の毛を結っている智美の姿が見える。
どうも女湯も智美1人のようだ。
その瞬間、男湯の脱衣所の扉が開く音がした。
ドッキとして、垣根から離れる石川。
入ってきたのは平山だった。
小声で話し掛ける平山。
平山「やっぱり来てましたね。ズルイじゃないですか。抜け駆けなんて!」
石川「すまん」何故かあやまってしまう。
平山「穴はどこですか?早く見ましょうよ」
石川「ああ」隙間を指差す。
平山、隙間に目を当てる。石川も隣りの隙間に目を当てた。
ほんの1メートルくらい前に智美がいる。
未だ浴衣を脱いでいない。
1年ぶりの智美の裸。期待と興奮で石川の胸は張り裂けそうだった。
智美は帯をほどくと肩からスルッと浴衣を落とした。
白いフルカップのレースのブラとお揃いのレースのパンティが見える。
レースのパンティは少し黒く透けている。
そして、後ろに手を回すとブラのホックを外した。
ブラが上にずれると同時に下から大きな乳房が飛び出す。
平山「すごい」思わずつぶやく。
智美は勢いよくパンティを下ろすと少し濃い目の恥毛を披露した。
普段の清楚な智美からは想像できないようなえっちな身体だった。
(平山後日談)
暫し無言の石川と平山。
平山「智美さんのおっぱいすごかったですね」
石川「ああ」
平山「俺、反応しちゃいました」
その時点で平山のトランクスはかなり盛り上がっていたらしい。
平山「俺、あのおっぱい触れたら、死んでもいいっすよ」
石川「安っぽい命やな」
そんな会話があったらしい。
居酒屋の中。
石川と雑談をしている俺。
石川が興奮気味に智美の身体について話をしている。
石川「ほんとに智美の身体っていいよな」
俺「平山も見たんか?」
石川「ああ。あいつも狙ってたみたいなんだな。あいつこそスゲー興奮してたぜ」
智美の裸はこれで俺を含めて4人の支店の男に見られたことになる。
石川「平山のやつ、智美の裸見ておっ立ってやがったぜ」
俺「ははっ」苦笑い。
石川「智美の乳輪ってけっこう大きいんだぜ」自慢気に話す。
そんなこと知ってるって。
けどちょっと興奮。
石川「風呂上がってから若手で夜中まで結構へべれけまで飲んだんだけど。
酔っ払った智美もスゲー色っぽかったぜ」
俺「何かあったんか」ちょっと不安になる。
石川はその後の飲み会のことを話し出した。
大宴会場はお開きになり、その後若手の男女が石川の部屋に集まった。
その中には智美も千佳もいた。
智美は部屋で寝ようとしていたところを無理やり平山に拉致されたらしい。
飲み物は余った芋焼酎。
余った焼酎を消費するため、ゲームをすることになった。
負けた人が罰として一気するという単純なもの。
最初は山手線ゲームから始まり、ピンポンパンゲームなど他種目に渡り、
焼酎はどんどん消費されていった。
智美はこういうゲームが苦手らしく、結構飲んでいたらしい。
智美が限界で飲めなくなると、隣に座っていた平山が救いの手を差し伸べ、
智美の分も一気し続けたため、平山はダウンしてしまった。
その時点でゲーム終了となったが、智美が倒れた平山を一生懸命介抱していたらしい。
平山はその間、ずっと智美に膝枕されていた。
石川はうらやましいと思ったが、平山を介抱している智美の浴衣の緩くなって開いた胸元
から深い谷間を見ることができて興奮したらしい。
話を聞いていた俺は少しだけ嫉妬したが、あまり気にしないようにしていた。
しかし、最後に石川が言った一言が心に引っかかった。
石川は智美が寝ている平山に向ける眼差しが少し気になったと。
もしかしたら、智美は平山のことが好きじゃないかと・・・・・言った。
智美の課の旅行から1ヶ月くらいが過ぎようとしていた。
その間、お互いすれ違いであまりゆっくり会うことができないでいた。
久しぶりの智美とのデートだった。
映画を見て、食事をした。
俺「クリスマス。どうする?どっか予約するか?」
智美「うん。そうだね」なんとなく気のない返事。
少なくとも俺にはそう聞こえた。
俺「智美はどうしたいの?」
智美「なんでもいいよ」
少しムカついた俺。
俺「なんでもいいは、どうでもいいってこと?」
そんな噛み合わない会話のやり取りがあったと思う。
結局、その日は食事後、街中で別れた。
ほんとはエッチしたい俺だったが、それ以上になんとなくそっけない智美の態度に
腹がたった。
でもその時はただお互いの虫の居所が悪かったのだろうくらいしか考えてなかった。
数日後、平山から飲みにいきましょうと誘われた。
二人で居酒屋に行ってたわいもない話をしていると、突然、平山が切り出した。
平山「○○さん(俺)付き合っている人いるんですか?」
俺「いっいねーよ!」少し動揺。
平山「美由紀さんは?」
俺「ちげーよ!」
平山「愛さんは?」
俺「そんな訳ねーだろ!」
平山「じゃあ、智美さんは?」
ここだけちょっとトーンが強かった気がする。
俺「ありえない!」
平山「ほんとですよね?」
俺「ああ、お前しつこいぞ!」
平山「わかりました。じゃあ俺が3人のうち誰とでも付き合ってもいいですよね」
俺「お前の勝手だろ!」
そう言い切った瞬間、後悔の念が襲ってきた。
平山と別れた後、後味が悪かった。なんとなく嫌な予感がした。
智美と一緒に映画を見た日から、1週間が経とうとしていた。
あれから智美とは連絡をとっていない。
俺的には、智美の態度に対して意地を張っていたのだと思う。
確かに平山のことは気になったが、それも片隅に追いやっていた。
それに仕事はめちゃくちゃ忙しかったのもあって、余計なことは
考える暇がなかったこともあった。
さすがに1週間も連絡してこないとなると不安になった。
そんな日、たまたま智美のフロア-に用事があり、降りていった。
ちなみに俺は5階で智美は2階である。
俺が訪れたとき、智美はデスクで電話中だった。
久しぶりに智美を見た。
胸が少しキューンとなった。
石川と雑談をしながら、智美の姿を目で追った。
そこにいる智美はなんとなく自分のものではない気がした。
智美がほしい。
心が身体がそう思っていた。
その夜、会社が終わると智美に勇気を振り絞って電話した。
たかが自分の彼女にと思うかもしれないが、そのときはそんな気持ちだった。
電話に出た智美はいつもどおりであったが、その普通さが俺にとってはなんとなく
ものたりない気がした。
俺「今すぐ会いたい」
気持ちをストレートにぶつけた。
智美「えっ今から?もう時間が遅いよ」
俺「今すぐ会いたい!」
智美「・・・・・」
俺「今から迎えにいくから」
俺は智美の返事を聞く前に電話を切って駐車場へ走った。
智美の家まで車を走らせながら、いろんなことを考えた。
1週間ぶりに話をしたのに少しそっけない気がした。
少なくとも俺にはそう感じた。
この間のデートのときもそう感じた。
そして、1週間の間、電話もしてこなかった。
何故?
智美の中で何か気持ちの変化があったのか。
俺のことが好きでなくなったのか。
平山?
そのとき、初めて平山の存在が俺の中で大きくなった。
智美の家の前。
車の中から智美の携帯に電話をかけた。
俺「今着いたところ」
智美「本当に来たの?」
俺「少しでもいいから会いたい」
智美「・・・・・・わかった」
電話を切ってから10分くらいして家から智美が出てきた。
その10分が俺にとってはとても長く感じた。
少しイライラしていたと思う。
智美が車のドアを開ける。
俺(ちょっとむっとして)「おせーよ」
智美「・・・・・ごめんね。どうしたの?」
俺「会いたいから来たんだよ!彼氏が会いに来ちゃいけないのかよ」
智美「なに怒っているの?」
俺「怒ってねーよ」
智美「・・・・・」
俺、無言で車のエンジンをかけ、走らせようとする。
智美「どこ行くの?」
俺は答えない。
智美「明日、友達と出かけるから早く帰らなきゃいけないから」
俺は黙って自分のマンションまで車を走らせた。
その間、二人とも無言だった。
俺のマンションが近くなると智美も目的地がわかったようだ。
智美「今日はダメだからね」
俺は黙って、駐車場に車を入れた。
駐車場からマンションまで歩く。
智美は黙って俺の後ろをついて来た。
俺のマンションの部屋のドアを開いて、智美を中へ誘導した。
少しだけ智美が入るのを躊躇したような気がしたが、構わず中へ引き込んだ。
部屋の電気を着けると同時に智美を引き寄せて唇を奪った。
そのまま舌を絡めようとするが、智美は応じない。
構わず着ていた青いフリースを下から捲り上げ、ブラジャーの上から智美の
胸を鷲づかみにする。
智美「やだっ。今日はしないって!」
フリースを下げようとする智美。
俺は下げようとする智美の手を片手で掴んで片手でブラを捲り上げた。
久しぶりの智美のおっぱい。相変わらず豊満だった。
石川と平山が温泉で除き見して興奮したおっぱい。
俺はそれを今自由にできる。そんな優越感が俺を余計に興奮させた。
智美「やだってば」
俺は智美を立ったまま壁に押し付けるとスカートを捲り上げ、一気にパンティの中に
手をねじ込んだ。
智美の恥毛の感触が伝わる。
さらに奥まで手を突っ込む。
智美「いや」
奥はしっとりと濡れていた。
そのまま、パンストとパンティを一気に下ろす。
そして自分もジーンズのボタンを外し愚息を取り出すとバックから智美の股間に
挿入した。
「あっ」微かに智美が声を漏らす。
それ以上智美の抵抗はなく、俺を受け入れた。
俺の腰を動かすスピードが速くなるにつれて、智美の声も大きくなる。
胸は重力のまま、激しく揺れる。
そして普段の智美からは想像できないようなエッチな表情になる。
このギャップがたまらなかった。
俺は揺れるおっぱいを掴みながら、逝きそうになるのを必死で耐えた。
そして智美が逝くのを見届けると自分の愚息を抜いて智美のお尻の上にぶちまけた。
行為が終わると智美は床に座り込み、無言でうつむいていた。
少し泣いているようにも見えた。
その姿に俺はかける言葉が見つからなかった。
ティッシュを差し出すと黙って身支度を始めた。
沈黙が流れる。
智美「帰る」
俺は帰ろうとする智美を腕を掴んで引きとめた。
俺「ちょっと待てよ」
智美(振り返って)「○○君、ほんとに私のこと愛しているの!」
俺「・・・・・」
あまりの唐突で動揺して言葉がでなかった。
智美「私にはそう思えない!」
俺「そんなことないよ!」やっと言葉がでた。
俺「お前こそ、最近俺に対してそっけないんじゃないか!」
智美が涙目でこっちを見つめる。
思わず目を反らした。
一時沈黙が流れた。
そしてついに智美が言葉を切り出した。
智美「私たち離れて、もう一回自分の気持ちを確かめようよ」
俺「ちょっと待てよ」
智美「もう決めたの」
俺「好きな人が他にできたのかよ?」
智美「・・・・・」
俺「そうなのかよ!」
智美「違うわ。○○のことが好きかどうかわからなくなっただけ」
俺「俺は智美のことが好きだ!」
智美「・・・・・」
『平山か?』喉元まで出かかったが辛うじて押し殺した。
それを確認するのが怖かった。
俺「結論を出すのはもう少しだけ待ってくれ!もう少し考えようよ」
無駄な抵抗だと思いながらもこう言うのが精一杯だった。
智美を失いたくなかった。心からそう思った。
あの日から一週間が経とうとしていた。
あの日以来、智美とは全く話をしていない。
会社でばったり会うこともなかった。
何度が電話をかけようと思ったが、やめた。
もちろん智美からの着信はなかった。
そうしているうちにクリスマスイブとなった。
俺は智美と会わなければ、予定は何もなかったので、石川は企画したイブを1人で
過ごすのが嫌なやつらの集いみたいなイベントに参加した。
集まったのは男女7人くらいだったと思う。
美由紀さんや千佳ちゃんはいたが、智美の姿はなかった。
そして平山の姿も。
飲み会の中で、平山がいないことについて話題になった。
そこで衝撃的な事実が俺に告げられた。
他の男「なんで平山のやつが来てないのか?」
石川「あいつ、俺の誘いを断りやがったんだぜ!彼女いないくせに」
美由紀「案外、彼女できてたりして。あいつ意外とカッコいいじゃん」
千佳「私・・・・・知ってますよ。平山君彼女できたって」
一同「まじ?」
石川「相手は誰だよ。千佳知ってるのか?」
千佳「ハッキリとは聞いていないけど。たぶん」
一同「誰だよ?」
千佳「でも・・・・・言っていいのかなぁ」
美由紀「言っていいに決まってるじゃないの!」
石川「誰だよ!」
俺は一番聞きたくない名前が出ることを予感して怖れた。
そして、千佳が重たい口を開いた。
千佳「たぶん・・・・・智美さんだと思う」
石川「まじかよ!」
千佳「実はこの間の夜・・・・・」
千佳の話の大筋はこのような感じだった。
遡ること5日前。
千佳は友人と待ち合わせをしてレストランに入ったところ奥の見えにくい場所で
二人が食事をしていたのを目撃したらしい。
二人はとても楽しそうに談笑しており、全く千佳の存在に気がつくことが無かった。
そして、先に会計を済ませると寄り添うように店を後にしたらしい。
千佳「あれは絶対恋人同士って感じでしたよ」
美由紀「本人たちに追求しなかったの?」
千佳「次の日、智美さんに「目撃しましたよ」って言ったら、「相談にのってあげてた
だけよ」って笑い飛ばされました。でもどう見ても単なる同僚ではなかったですよ」
俺は明らかに動揺していた。
平山と智美が寄り添って歩く姿が想像できた。
自分は未だ智美と付き合っていると思ってたが、そう思っていたのは
自分だけだったのか。
智美の心はとっくに俺と別れて、平山にあったのか。
少しだけ予想していたことではあったが、その予想を打ち消してきた
俺にとって、その事実は胸を切り裂くほど辛かった。
智美が千佳に二人の関係を否定したことに一部の望みをかけてすがっていた。
それが、現実逃避であると知りながらも・・・・・
そうでも思わないとその場で皆と笑ってられなかったから。
俺は、二人の残像を消すように杯をあおった。
たまに石川にコメントを振られたが、何をしゃべったか憶えていない。
とにかく二人のことを忘れたかった。
どれだけ飲んだか分からない。
二次会のカラオケでも飲めない赤ワインを飲み捲くった。
智美の得意だったドリカムの歌が流れると楽しかった日々を思い出した。
誰にも言えない気持ちを封じ込めるようにまた飲んだ。
会は二次会で解散となり、美由紀から三次会に誘われたが、そんな状況ではなかった。
俺はベロベロになりながらもなんとかタクシーで家まで帰り着いた。
家に帰り着くとスーツのままベッドに横たわった。
ひとりぼっちのクリスマスイブ。
もう12時を回っていたのでひとりぼっちのクリスマスか。
目を閉じるとまた智美と平山の姿が浮かんだ。
今頃二人は。
平山は念願叶って、智美の身体をゲットできたのだろうか。
あのエッチな大きなおっぱいも、ちょっと濃い目の恥毛も平山のものに
なってしまったのか。
そんなことを考えていた。
それから、地下の書類倉庫での出会い、湖のほとりでの告白など智美との思い出が
走馬灯のように駆け巡った。
そして少しだけ泣いた。
いつもそうだが、失って初めて、その存在の大きさが分かった。
彩のときもそうだった。
自分は教訓を生かせない愚か者だと思った。
その後、智美と話をすることもなくなった。
智美と最後にえっちした日以降、なにも話をしていないので、自然消滅みたいな
感じだった。
平山も以前ほど俺に近寄ってくることは無かった。
二人が俺を避けているようにも見えた。
二人が付き合っているという話はクリスマス以降出なかったが、俺に対してよそよそしい
二人の態度がそれを物語っていた。
智美も平山も以前のように若手のイベントに参加することは無くなった。
しかし、さすがに同じ館内にいるので、たまに智美を見かけることはあった。
その度に胸が苦しくなった。
まだ、智美のことを未練たらしく思っている自分が情けなかった。
そんな自分を他所に智美との恋愛は終わった。
智美と別れてから、久しぶりに一人になった。
別れて初めて、智美がいてくれたことの有難さが分かった。
合コンなどの飲み会に積極的に参加してみたものの、常に比較対象は智美で
デートしてもなかなか付き合うまで踏み切れない自分がいた。
支店全体の集まりなどで智美を見かけると切なった。
そんな女々しい自分が嫌いだった。
そんなある日のこと、久しぶりにバイト仲間だった渡辺から電話があった。
渡辺についてちょっと振り返っておくと、渡辺は俺と同級のバイト仲間で、
彩のことが好きだったが、彩と俺が付き合っているのを知らず、彩に告白し、
振られた経歴の持ち主。
その後、同じバイト先に入ってきた由香と1年くらい付き合っていたが、
既に別れていた。
渡辺「実はな、この前偶然に街で彩ちゃんに会ったんだ」
久しぶりに彩の名前を聞いた。
彩の顔を思い浮かべる。そして彩の身体も。
別れたのがつい最近のように鮮明に思い出すことができた。
渡辺「彼氏いるのかと聞いたら、いないって言うので、俺の会社の連中と
彩ちゃんの会社の連中とで合コンすることになったんだ」
俺「彩は変わってなかったか?」
渡辺「ああ、かなり色っぽくなってたけどな。相変わらずナイスバディだったぜ」
俺「そうか」
俺はちょっと大人になった彩を想像した。
渡辺は話を続ける。
渡辺「お前、彩ちゃんと別れてたのか。知らなかった」
俺「ああ、いろいろとあってな」
渡辺「合コンのとき、彩ちゃんからいろいろ聞いたよ」
俺「そうか」
渡辺「そっちの彼女とはうまくいってんのかよ」
俺「いや、この間、別れちまった」
渡辺「お前と別れてから、彩ちゃんはずっと一人って言ってたぞ!」
俺「えっ?」
正直、渡辺の言葉にびっくりした。
俺はてっきり会社の先輩の島村とうまくやっているとばかり思っていたから。
渡辺「実はな。また彩ちゃんに振られちまった」
俺「何かあったんか?」
俺の頭の中は混乱していた。
渡辺はさらに話を続ける。
渡辺は彩と3対3の飲み会をすることとなった。
場所は渋谷だったらしい。
渡辺は久しぶりに会って色っぽくなった彩に夢中になった。
渡辺「なんで、○○(俺)と別れたのかよ」
彩「私のわがままで・・・・・」
そう言って俺との別れから別れた以降の話を少しずつ始めた。
島村との交際を決意して、俺との別れに踏み切った彩だったが、
俺と別れて空港を飛び立った瞬間、涙が止まらず、フライトの間、
ずっと泣きっぱなしだったらしい。
そして別れ話を切り出したことを後悔したとのこと。
何度も電話をかけようと思ったけど、なかなか勇気がでなかった。
そんな中、俺の会社の同期(この男についての解説は後ほど)から
俺が九州で社内恋愛に没頭している話を聞いて、電話をかけるのを
諦めたらしい。
この同期の男、何故、彩が知っているかというと
俺が入社して3ヶ月間いた寮で一緒だった同期で清水といいい、
二度ほど一緒に飯を食いにいったことがあった。
俺が九州に配属になったとき、こいつは東京の支店に配属になり、
そのまま寮に残っていた。
実はこの同期の清水、おれが九州に行ってから、彩に頻繁に電話をかけて
きていたらしい。
そんなことは俺は全く知らなかった。
彩が九州に会いに来る前にも、俺に社内に好きな人ができたようだと彩に
吹き込んだのもこの男だったようだ。
俺と彩が別れた後、清水からの電話はさらに頻繁になったらしい。
何度も二人で食事に行こうなどと誘われたが、彩は適当に茶を濁していた。
彩は清水のことは嫌いではなかったが、俺と別れたばかりで、そんな気には
なれなかった。
そんな中、清水から俺が社内の女性と付き合い始めその女性に夢中になって
いるとの話を聞かされたのだ。
その話を聞いて、彩は俺と再び寄りを戻すことを諦めた。
一方、島村も俺と正式に別れたことを知り、頻繁にアプローチをかけてきていた。
島村とお付き合いを始めようと思い俺と別れた彩だったが、今ひとつ踏み切れずにいた。
ある日、島村と食事をした後、ホテルに誘われた。
少しだけ悩んだが、俺への気持ちを断ち切るために一歩踏み出そうと決意し、
彩は黙って頷いた。
ここからは、渡辺の話と後の彩の話から想像しながら書きます。
渋谷のホテルの一室。
部屋に入るなり、彩は島村に抱き寄せられた。
抱きしめられながら、キスを交わす。
そして、島村の手が彩の胸へ。
島村の手は服の上から執拗に胸の頂上付近を責める。
思わず彩から微かに声が漏れる。
それに気を良くした島村はそのまま手をスカートの中へ。
彩「ちょっと待って!」
島村「どうしたの?」
彩「このままじゃ。汗かいているから」
島村「いいのに」
彩「お願い。シャワー浴びさせて」
そう言いながら、強引に島村から離れて、彩はバスルームへ向かった。
脱衣所の洗面台の鏡を見ながら、彩は大きく溜息をついた。
まだ悩んでいる自分がいる。
このまま島村に抱かれてもいいのだろうか。
鏡の中の自分に問いかける。
彩は少し混乱していた。
自分はどうしたいのだろうか。
島村のことは嫌いじゃない。むしろ好意はもっている。
だけどこのモヤモヤはどうしてなのか。
今日、島村とホテルに来たのは軽率だったのか。
もう少しだけ時間をかけて考えるべきだったのか。
彩は服を着たまま、風呂場に入るとバスタブにお湯を落とし始めた。
島村はベッドに腰掛け一服していた。
ついに、彩を抱くことができる。期待で胸がいっぱいだった。
そのまま、畳込むようには持ち込めなかったが、時間は十分にある。
ホテルに誘うタイミングは悩んだが、彩はすんなりついてきてくれた。
彩だって付き合う覚悟はできているはずだ。
そんなことを考えていると、風呂場の電気が着いた。
電気がつくまで分からなかったのだが、風呂場のガラスはマジック
ミラーのようになっていた。
彩が入ってきて、バスタブにお湯をためる姿が見える。
島村は彩に分からないように風呂場のガラスに近づいた。
彩は一旦脱衣所に戻っている。
風呂場と脱衣所のドアが開いているため、角度を変えれば、
彩の姿が見える。
島村は彩が見える位置に移動する。
洗面台の鏡に向かってじっとしている彩の後姿が見えた。
バスタブにお湯が落ちる音だけが響いている。
島村は胸を高鳴らせた。
彩は相変わらずじっとして動かない。
島村は焦れる気持ちを抑えながら待った。
彩はバスタブにある程度お湯が溜まったのを確認すると
洗面台の方を向いてTシャツの裾に手を掛けた。
彩の白い背中が見える。ちょっと幅のあるブラのライン。
島村の鼓動が速くなる。
続いてブラのホックに手がかかる。
ブラが外されると同時に背中越しに彩のおっぱいが弾けるのが見えた。
そして、スカートを落とすとパンスト越しに白いパンティが見える。
それだけで、島村の股間は固くなっていた。
彩はパンストを丁寧に脱ぐとするりとパンティを足から外した。
島村はその仕草の全てが美しいと思った。
そしてついに彩がこっちを向いて風呂場へ入ってきた。
長い間、想像してやまなかった彩の裸体が目の前にあった。
華奢な体の割には張りのある大きな乳房。そして少し大き目だが、薄い褐色の乳輪。
細いウエスト。薄い整ったヘア。
彩とガラス越しに目があった気がして、思わず目を伏せたが、彩は気がついていないようだ。
彩は背中を向けるとシャワーを浴びだした。
ガラス越しに彩の後姿を見つめる島村。
張りのある白いお尻。背中越しに時折揺れるおっぱい。
ついに自分のものになる時が来た。島村は興奮していた。
自然に手が熱く固くなった自分の股間へ。
早く彩に触れたい。
はやる気持ちを抑え、島村は彩の姿をみながら、二本目の煙草に火をつけた。
一通り身体を洗い終えると彩はバスタブに向かった。
湯船に浸かるとまた、いろいろなことが頭を駆け巡る。
このまま、本当に島村と深い関係になってもいいのか。
ふと部屋を仕切っている壁の硝子の方に目をやる。
硝子は一面鏡張りになっていることに気がついた。
目を凝らすと微かに部屋の中の様子が見える。
もしかして、島村に見られているのでは。
思わず、湯船の中で胸を押さえる彩。
見られていると思うと急に恥ずかしくなった。
彩はタオルを取ると前を隠しながら湯船を出て、風呂場の電気を消した。
部屋の様子が硝子に浮き上がる。
その瞬間、硝子越しに島村と目があった。
やはり見られていた。
彩はそのまま脱衣所へ出るとドアを閉めた。
恥ずかしさが込み上げてきた。
ずっと自分の身体が嫌いだった。
小林からはエッチな身体と言われた。嫌だった。
近寄ってくる男達はみんな自分の心ではなく身体が目当てのような気がした。
島村はどうなのだろうか。
やっぱり自分の身体が目当てなのだろうか。
硝子越しに見た島村の目を思い出した。
雄の目をしていた気がした。
○○(俺)はどうだったか。
一度自分が拒むとずっと我慢してくれた。
自分のことを本気で好きでいてくれた。
距離が開いただけで脆くもくずれてしまったけど、自分はもう少しがんばる
べきだったのでは。
こんな気持ちで島村に抱かれてはいけない。
彩は下着を付け、服を着ると来たときの格好で脱衣所を出た。
衣服を整えて出てきた彩を見て、島村は驚いた。
島村「どうしたの?」
彩「島村さん、ごめんなさい。ここまで来てしまったけど、私、未だ島村さんと
お付き合いできない」
島村「どうして?こんなに好きなのに!」
島村は彩に近づき抱き寄せると強引にキスをしようとする。
彩(拒みながら)「本当にごめんなさい」島村から離れる。
島村「ここまで来ておいて、ふざけんなよ!」
島村は怒り出した。
彩「本当にごめんなさい」何度も謝る彩。
島村(怒りながら)「いいよ!その代わり口でしてくれよ!」
彩「えっ?」
島村「この前も手でしてくれただろ。治まりつかねーよ!」
島村はジーンズのファスナーを下げると半勃ち状態の愚息を取り出した。
そして強引に彩の手をとると自分の愚息へと導いた。
島村の雄を感じて、彩は嫌だったが、中途半端な気持ちでここまで来てしまった
自分が悪いと思い、島村の愚息を手て包むとゆっくりと動かし始めた。
「ふうー」島村の息遣いが聞こえる。
愚息が固くなってくるのがわかる。
このまま逝かせてしまおうと動かすテンポを速めていく。
島村「ちょっと待てよ!」
逝きそうになったのか、彩の手を押さえ、動きを止めた。
そして、体をずらして彩の顔の前に愚息を突き出し、咥えるように催促する。
自分の性欲を押し付ける島村が嫌だった。
島村「いいだろ。これで最後にするから!」
彩は早く帰りたい気持ちだった。
早く終わらせるために彩は島村の愚息を口に含んだ。
島村「おおっ」思わず声を上げる。
動かすたびに島村の愚息はさらに固くなる。
島村は彩のTシャツを捲り上げるとブラをの上から彩のおっぱいに手を伸ばした。
彩「いや」片手でTシャツを押さえて抵抗するが、島村に手を掴まれる。
さらに島村はブラの中に手を突っ込み、彩の豊満なおっぱいを露わにする。
島村は両手で彩のおっぱいを掴みながら口の中で果てた。
彩は洗面所で島村の体液を吐き出すと何度も何度も口を濯いだ。
果てたときの満足げな島村の顔が嫌だった。
やっぱり、自分の身体だけだったのか。
悲しくなった。
二人はホテルを後にすると駅で別れた。
もう二度と島村とこのような関係になることはないと思った。
家に帰ると○○(俺)に無性に会いたくなった。
電話を掛けた。
「お客様のおかけになった電話は電源が入っていないか、電波の届かないところに
あるためかかりません・・・・・」
これが運命かと思うと、また悲しくなった。
渋谷のバーのカウンター。
彩と渡辺(バイト先の俺の同級生)とが飲んでいる。
渡辺「じゃあ彩ちゃん、○○と別れてからずっと一人なんだ」
彩「なかなか、踏み切れなくて」
渡辺「じゃあ、俺と付き合おうか?」
彩「またまた、冗談でしょ?」
渡辺「本気、本気。前から俺が彩ちゃんのこと好きなのしってただろう?」
彩「ごめん・・・・・」
渡辺「まだ、○○のこと思ってるのか?」
彩「たぶん・・・・・」
渡辺「○○は幸せもんだよな。彩ちゃんからこんなに想われて!」
彩「でも、○○君、九州で好きな人できたみたいだから」
渡辺「そんなの関係ないよ。俺みたいに何度でも当たって砕けろだよ。
10年後彩ちゃんが一人だったら、もう一回チャレンジするよ!」
彩「渡辺君、ありがとう。なんか勇気が出てきた」
渡辺「なんなら、俺から○○に伝えとこうか?」
彩「ううん。自分でがんばる。自分で勇気振り絞って、努力してみる」
渡辺「そうだな。そうしないと幸せって掴めないものだよな」
彩「うん。そう思うから」
場面があちこち飛んで申し訳ないです。
渡辺と俺の電話に戻る。
渡辺「だとさ!」
俺「・・・・・」
渡辺「お前は彩ちゃんのことどう思ってんだ」
彩の容姿、彩の仕草、彩の笑顔・・・・思い浮かべる。
渡辺「彩ちゃんから電話あったら、きちっと受け止めろよ!」
俺「・・・・・渡辺、ありがとう」
渡辺「お前に礼を言われる筋はねーよ。俺は彩ちゃんに幸せになってほしいだけだ」
俺「ありがとう」
渡辺「じゃあな」
世の中知らなくていいことなんて山ほどあるんだな。
渡辺からの電話があってから、落ち着かない日々が続いていた。
渡辺の電話で、彩が未だ俺に対する思いが残っていることを聞いた時は
正直うれしかった。
その一方、彩が一人でいた時期に俺は智美と仲良くしていたことに対する
後ろめたさもあった。
俺は彩ともう一度やり直すことができるのだろうか。
また、同じ誤ちを繰り返すのではないか。
智美と別れてから、恋愛に自信を失いかけている自分がいた。
そう考えながらも、彩の電話を待っていた。
彩と会って話がしたいと思った。
その思いは、日が経つにつれ、強くなっていった。
渡辺の電話から2週間が過ぎようとしていた。
彩からの電話は未だなかった。
俺は不安になりかけていた。
振り返ってみると、この2週間、彩のことばかり考えていた。
もしかして渡辺に踊らされていたのでは。
渡辺を疑ってみたりした。
自分から彩へ電話をしようかとも思ったが、もし渡辺が俺に話したことが
でたらめだったらと考えると怖くてできなかった。
いや、渡辺を信じて待とう。
疑っては信じる。その繰り返しだった。
疑っている器の小さい自分が嫌で渡辺にも電話できずにいた。
そして終には、渡辺と彩ができているのではと考え始めた。
よくよく考えると単なる友人である渡辺に島村とのことや今の自分の気持ちを
素直に話すものだろうか。
しかも島村の件に至っては、ホテルに行ったことまで話をしているのである。
そう考えると彩と渡辺がもっと深い仲であると考える方が自然のような気がした。
そうしているうちに1か月が経った。
未だ彩からの電話はない。
俺の彩への思いは限界まで来ていた。
渡辺の電話を無かったことにしてしまおうとも考えたが、俺の心の中は
もうすでに時遅しの状態だった。
気がついたら、俺は羽田行きの飛行機の中にいた。
渡辺には余計なことは言わず、ただメールで出張で東京に行くから飲もうとだけ
連絡したら、OKと返ってきた。
もちろん出張はうそだが・・・・・
久しぶりに渡辺と新宿で会った。
ちなみに渡辺は大手商社のエリートサラリーマンである。
会社の話などをした後に俺の方から切り出した。
俺「そういえば、彩から連絡ないんだよな。渡辺、なにか知ってるか?」
渡辺「いっいや・・・・・」なんか歯切れが悪い。
俺(ちょっと強い口調で)「お前、彩とあれから会ったか?」
渡辺「あっ1回だけな」
俺「お前、なんか隠してるだろう!」
強く迫る俺にたじろぐ渡辺。
渡辺「○○(俺)、すまん!」
渡辺はこれまでのことを話しだした。
渡辺は俺に連絡した後、彩に電話をしてそれを口実に呼び出した。
都内の公園の駐車場。渡辺の車の中。
渡辺「彩ちゃん。○○にはもう電話しない方がいいかもしれない」
彩「えっ?どうしてなの?」
渡辺「彩ちゃんが傷つくのは忍びないから」
彩「○○君、何か言ってた?」
渡辺「あいつ会社の娘と付き合ってて、もしかしたら結婚するかもって言ってた。
だから俺、彩ちゃんの気持ちは○○には伝えなかった」
彩「・・・・・そうなんだ」
渡辺「ごめん。力になれなくて」
彩「・・・・・渡辺君のせいじゃないから」
渡辺「ごめん」
彩「もう誤らないで、悲しくなるから」
助手席でうつむく彩。
長いまつ毛が少し濡れている。
白いサマーセーターを押し上げた胸。網目から薄いピンクのブラが透けている。
そして、デニムのミニスカートから伸びた素足。
色っぽかった。
ごくっと生唾を飲み込む渡辺。
渡辺は彩を自分のものにしたいと思った。
彩「やっぱり、これも運命なのかな・・・・・」
ぽつりとつぶやき、顔を上げた彩。瞳がウルウルしている。
渡辺は顔を近づけると唇を重ねた。
渡辺「ごめん」
彩「いいの。もういいの」
再び、唇を重ねる。
そして、手を胸に添えて彩の胸の感触を確かめる。
渡辺「触ってもいい?」
彩「・・・・・」
少し強めに揉んでみる。
渡辺「見てもいい?」
彩「・・・・・」
サマーセーターの裾をまくり上げる。薄いピンクのブラが露わになる。
渡辺「外すよ」
彩「・・・・・」
渡辺の手がブラのホックに手が掛る。
彩「渡辺君!ごめん」渡辺を押しのける彩。
彩「こんなんじゃだめだよね。私、やっぱり○○君のことが好きだから」
渡辺「・・・・・」
彩「こんな気持ちじゃ。渡辺君にも失礼だよね」
渡辺「・・・・・俺、彩ちゃんのことすきだからかまわないけど」
彩「渡辺君、ごめん」
彩は助手席のドアを開けると車を飛び出して、駆けて行った。
そんな彩を渡辺は茫然と見送った。
それ以来、彩とは連絡を取ってないらしい。
再び、新宿の居酒屋。
渡辺「ほんとにすまん!」
俺「ちょっと腹立つけど、いいよ。お前が彩のこと好きだったのは俺も知ってるから」
渡辺「ほんとにすまんな」
俺「お前のおかげで、俺も彩のことが今でも好きなのがわかったから」
渡辺「本気か?」
俺「ああ、マジだ」
居酒屋を出ると俺は勇気を振り絞って彩に電話を掛けた。
俺「久し振り!彩」
彩「えっ、どうして?」
俺「今からそっちの近くまで行ってもいいか?話したいことがある」
彩「・・・・・今、どこにいるの?」
俺「東京に来てる。少しだけでいいから時間をくれないか?」
彩「うん。わかった」
それだけ言うと俺は彩の実家の最寄りの駅へと向かった。
彩に会いに行く電車の中で俺はこれまでの自分の人生について振り返る。
バイト先での彩との出会い。
彩の就活。そして内定。海外研修旅行。小林。
彩の就職。島村。
俺の九州への異動。智美との出会い。
智美の過去。智美の身体を駆け抜けていった男達。
尾崎。伊藤。大橋。
平山の配属。
そして智美との別れ。
渡辺からの電話。
1つ1つの出来事が、今に繋がっている気がした。
そして今、俺は再び彩のところへ向かっている。
彩は俺のことを受け入れてくれるだろうか。
受け入れてくれなければ、それも運命だろう。
今は自分の気持ちに正直に行動しよう。そう決めた。
そんなことを考えているうちに駅に着いた。
人波を掻き分けて改札へと向かう。
改札の向こうに彩が立っていた。
約1年半ぶりの再会。彩は髪を茶色に染めて少し大人びて見えた。
二人、何も言わず、じっと見つめあう。
彩の目が少し潤んでいるようにも見えた。
俺「久しぶり!」右手を差し出す。
彩「ほんとだね」右手を差し出して、俺の手に重ねた。
少年のころの気持ちに戻ったようで、ドキドキした。
俺「ちょっとだけ、時間くれる?」
彩「うん」
そう言うと俺は彩の手をとって歩き出した。
駅の近くの公園のベンチ。
この公園は、付き合いだしたころよく行ったところだった。
俺「元気だった?」
彩「うん」
そんな通り一遍の会話を続けた。
なかなか言いたい一言が口に出せない俺がいた。
時間はあっという間に経った。
俺の新宿へ戻る終電の時間が迫っていた。
彩「そろそろ行かないと終電乗り過ごしちゃうよ」
俺「ああ」
彩「今日は来てくれてありがとう。久しぶりに話せてうれしかった」
話したいことは何ひとつ言えてないのにこのまま帰るのか!
俺、勇気を振り絞って「彩!」
彩「なに」
俺「出張で東京に出てきたなんて嘘で、本当は彩に会いに来たんだ」
彩「えっどうして?」
俺「電話で渡辺から彩のこと聞いて、じっとしていられなくて!」
俺はこれまでのいきさつを彩に話した。
「○○はこれからどうしたいの?」
彩が聞いてくる。
「彩とやり直したい!彩が好きだ」
俺ははっきりと伝えられた。
彩、少しだけ考えて、
「もう、終電の時間だから、○○君戻って。明日私が新宿に行くわ。
その時、返事してもいい?」
新宿へ戻る電車の中。
俺は彩とのやり取りを振り返った。
伝えたいことは伝えることができた。
だが、その場で返事がもらえることを期待していただけに、少し肩透かしを
くらった気がしていた。
そう考えると不安になった。
その日は眠れなかった。
勢いで上京し、渡辺に会い、そして押しかけるように彩に会いに行った。
そして、何の駆け引きもなしに彩へ告白した。
これで本当によかったのだろうか。
もっとじっくり話をしてからでも遅くはなかったのではないか。
そんなことが頭を駆け巡った。
考えれば考えるほど不安は大きくなり、
終いには彩と島村は付き合っているのではないかなど考えだした。
そんなことを考えて、ウジウジしている自分が嫌だった。
彩に会え、思いを伝えることができ、今回の上京の目的は果たせたじゃないか。
それでダメだったらキッパリ諦めようじゃないか。
久しぶりに彩に会えてうれしかっただろう。
それに明日(実質的には今日)も、また会えるじゃないか。
それだけでも十分だよな。
そう考えると不思議に気持ちが落ち着いた。
俺は深い眠りについた。
翌朝、電話が鳴っていた。
まだ、寝ぼけた状態で着信も見らずに電話を取った。
「おはよう!まだ寝てたよね?」
この声は誰だ!俺は自分が新宿のビジネスホテルにいることすら分かっていない。
「おはよう」とりあえず答えておく。
「○○の部屋っていくつ?」
彩だ!ようやく気付いた。時間を見ると7時30分だった。
俺「512だよ。今どこにいるの?」
彩「ホテルの下。今からそっちに行っていい?」
そう言うと彩は電話を切った。
慌てて身支度をする俺。
着替え終わるのと同時に部屋のドアをノックする音が聞こえた。
開けると彩が立っていた。
彩「来ちゃった」
俺「はえーな。何時に起きて家でてきたんだよ?」
彩「6時前に起きたよ。昨夜はほとんど眠れなかったから」
彩をじっと見つめる。彩の目がウルウルしていた。
ただ愛おしいと思って抱きしめた。
彩も俺の背中に手を伸ばし、抱きしめ返してきた。
俺たちは一時無言で抱きしめ合った。
新宿のビジネスホテルの一室。
抱きしめ合う二人。
彩の胸が俺の胸に触れていた。相変わらずの弾力だった。
彩を抱きたい!自分の胸の鼓動が聞こえるくらいドキドキしていた。
俺はそのまま彩を抱きたい気持ちを抑えて、彩から離れた。
俺「コーヒーでも飲む?」
彩「うん」
俺はホテルのサービスの備え付けのコーヒー(モンカフェみたいなもの)
のパックを開けて、カップにポットのお湯を注いだ。
コーヒーを入れながら、いつになく緊張している自分を感じた。
その時、俺の背中に彩が触れた。
背中越しに彩が顔を寄せてくるのを感じて、さらに鼓動が速くなる。
振り返ると彩が俺の顔を見つめていた。
俺はそっと彩に唇を重ねた。彩もそれに応えてくれる。
俺は恐る恐る服の上から彩の胸に触れた。
1年半ぶりの彩のおっぱい。やわらかい。
俺「いいの?」
静かにうなずく彩。
俺は彩のブラウスのボタンをゆっくりと上から外し始めた。
フルカップの薄いブルーのブラが深い谷間を形成していた。
以前よりも大きくなった気がした。
ブラの上から頂上付近を触る。
彩から微かに吐息が漏れる。
それから、ブラウスを脱がせて、ブラのホックをはずした。
プルンと弾けるように彩のおっぱいが顔を出す。
窓から朝日が射しこみ、彩の裸体を照らす。
相変わらず張りのあるきれいなおっぱいだった。
彩「明るいよ。恥ずかしい・・・・・」
俺はそのおっぱいの薄いピンクの先端に唇を寄せた。
「あっ」彩が声を漏らす。
さらにスカートを脱がすとブラとお揃いのブルーのパンティが現れた。
遠慮がちにパンティの上から彩の秘部をさすってみる。
微かに彩が反応する。
手を中に侵入させるとしっとりと濡れていた。
ゆっくりと上下に動かしながらかき回すといやらしい音を立て始める。
もう俺の愚息もギンギンだった。
俺は彩の片手を自分の愚息にもっていく。
彩はそれに応えるように自ら俺のトランクスを下ろすと躊躇なく咥えだした。
前よりもフェラがうまくなったような気がした。
俺は途中でフェラをやめさせると彩の中にゆっくりと挿入した。
「ああっ」思わず彩が声を上げる。
そこからは憶えていないくらい彩に没頭した。
このときは、不思議に小林や島村や渡辺など他の男のことは全く考えなかった。
俺は彩を逝かせると自分も彩のお腹の上に精を放った。
二人とも汗びっしょりだった。
彩が俺の胸に顔を寄せてきた。
俺は彩を強く抱きしめた。
本当に愛しいと思った。
もう絶対、この娘を離さないと心に誓った。
彩は羽田空港まで見送りに来てくれた。
そして次の連休に九州へ来ると言ってくれた。
別れる間際に俺は彩に確かめるように聞いた。
「昨夜の返事はOKってことだよね」
彩は静かに頷いてくれた。
九州に戻って1週間後の土曜日。
俺は夕べ飲みすぎて昼近くまで寝ていた。
起きてから、コーヒーを飲みながら、何気なく携帯電話を見ていると着信があった。
よほど眠りが深かったのか、全く気がつかなかったようだ。
見てみると驚いたことに智美からだった。
すぐに電話をしようかと思ったが、ちょっと躊躇した。
智美とまともに話をするのは3~4か月ぶりだったから。
正直、少しだけドキドキしている自分がいたことは否めなかったが、
彩とやり直そうと決意した自分を大事にしたいと思い、智美へ電話は
かけなかった。
夕方、再び携帯電話が鳴った。
どきっとする俺。智美からだった。
俺は1つ深呼吸をしてから電話に出た。
俺(少し澄ました声で)「はい、○○です」
智美「あの、智美です」
俺「ああ。久し振り、元気か?」
智美「うん。突然電話してごめんね。今日ってこれから忙しい?」
俺「別に用事はないけど・・・・・」
智美「少しだけ会えないかな?」
俺「どうしたの?何かあった?」
智美「・・・・・会って話したいの。××のデニーズまで来てくれない?」
複雑な思いで胸が苦しくなった。
俺「・・・・・わかった」
智美「今からでも大丈夫?」
俺「ああ、5時には行けると思う」
智美「待ってるから」
電話を切ると心が重くなった。
智美は何で俺に会おうとしているのだろうか?
まさか、平山と別れて俺とやり直したいとでもいうのだろうか?
俺は彩とやり直す決心をしたばかりだ。
智美になんて言われようとその決意は変わらないはずだ!
そう自分に言い聞かせた。
5時前にデニーズに着くと既に智美が席について待っていた。
俺「久し振りだね」
智美「急に呼び出してごめんね。何にする?」
俺「アイスコーヒーで」
智美が定員を呼び止めアイスコーヒーを追加注文する。
それから、本題には入らず、会社の近況とか昨日の飲み会の話とかをした。
こうして二人で話していると付き合っている時と変わらない気がした。
居心地は悪くなかった。
智美は人の話を聞くときは必ず大きな目でじっと見つめてくる。
俺は話しながら、智美の大きな目に引き込まれそうになるのを感じた。
俺はそんな自分の気持ちを断ち切るように話を切り出した。
俺「お前、平山とはうまくいってるのかよ。付き合ってるんだろ」
智美「・・・・・うん」
分かってはいたものの、智美から平山との関係について初めて肯定的な返事を
聞かされるとショックだった。
目の前に座っている智美を見る。今日の服装は大きめのパーカーを羽織っているため、
分かりにくいが、その下には豊満な胸が隠されている。
平山がそれを好きに弄んでいると思うと胸が苦しくなった。
俺「今日はどうした?」
智美「○○君は、私のこと本気だった?」
唐突な質問に戸惑う俺。
俺「ああ。本気で好きだったよ」
智美「ほんとに?私たちどうしてうまくいかなかったのかなぁ」
俺「俺が智美のことを好きすぎて、思うようにならない智美にいらついて
いたんだと思う」
智美「私はいつも○○に愛されているのか不安でいっぱいだった」
俺「ごめんな」
智美「ううん。誤ってほしくて会ってもらった訳じゃないから」
俺「・・・・・」
智美「一歩踏み出す前に○○に愛されていたってことを自分の思い出として
しまっておきたかったから。私、平山君と結婚しようと思ってる」
「私、平山君と結婚しようと思ってる」
正直、これを聞いたときショックだった。
俺「そうか。おめでとうだね」
智美「ありがとう。私、○○と会えてよかったと思ってるよ」
俺「うん」
智美と別れた後も何かを引きずっている自分がいた。
なんか胸の中にぽっかりと穴が開いたようなそんな気持ちだった。
それから2週間後、智美と平山が結婚するとのニュースが支店の話題をさらった。
二人が正式に上司に報告したようだ。
石川はショックだったらしく、二人で飲んだとき、かなり荒れていた。
石川は智美のことを未だ諦めてなかったらしい。
俺は、ただ黙って石川の愚痴を聞いていた。
程なくして、約束どおり彩がやってきた。
ちょうどその時は仕事の担当が増え、忙しくてちょっと心が荒んでいた時期だった。
空港に降り立った彩の笑顔を見たとき、ほっと安らぐ自分がいた。
連休の3日間はどこにも行かず、彩と二人きりの時間を過ごした。
音楽を聞いてまったりしたり、TVゲームをしたり、手をつないでスーパーに夕飯の買い出しに
いったり。仕事のことも智美のことも忘れた。
こんな落ち着いた生活もいいのかなと思った。
あっという間の3日間だった。
空港の搭乗口に向かう彩の姿を見送っていた時、突然引き留めたい気持ちが
湧いてきた。本当に帰したくないと思った。
彩はガラスの向こうから、聞こえない声で
「ま・た・ね」と言って東京に帰って行った。
彩がいない部屋に一人で戻ると何故か違和感を感じた。
ずっと一人で生活してきた部屋なのに、たった3日間一人ではなかっただけで
こんなに変わってしまうものなのか。
今までに感じたことのない気持ちだった。
この部屋には、自分には彩が必要なんだと本当に思った。
それから、彩が再び訪れる日をひたすら待った。
彩に会える日を目標にして、仕事にも打ち込んだ。
彩が次にやってくるまでの3ヵ月の間に2人の女性から告白を受けた。
人生って不思議なものでモテル時期とモテない時期があると思う。
モテたいとあがいているとと全く駄目で、そう思ってない時に限ってその周期が
突然やってきたりするものではないだろうか。
それまでの自分だったらフラフラしただろうが、そんな誘惑にも全く
動じることなく彩が来るのをひたすら待った。
そして彩がやってきた。
俺は決心していた。その言葉を早く彩に伝えたかった。
彩を空港に迎えに行った。
彩は変わらない笑顔で到着口から出てきた。
俺も笑顔で彩を迎えた。
彩「おなかすいた!なんか食べに行こう!」
俺「なにが食べたい?」
彩「××のラーメン!」
本当はちょっとおしゃれなレストランとかを想像していたが、
まあ、いいかと思った。
ラーメン屋のテーブル。
彩と俺が向かい合ってラーメンを啜っている。
俺「彩、ちょっといいか」
彩「なあに」
俺「結婚するよ」(ほんとならば『しようよ』だが)
彩「・・・・・えっ」一瞬彩には何のことだかわからなかったらしい。
俺「結婚するよ」
彩「・・・・・私と?」
俺「あたりまえじゃん!」
彩「・・・・・ほんとに?」
俺「ほんとに!」
彩「・・・・・」
俺「だめなの?」急に不安になる。
彩「だめな訳ないでしょ。でもラーメン食べながら言うか!」
俺「ごめん。でも早く彩に伝えたくて」
彩「・・・・・ありがとう。うれしい」
二人で笑った。彩は少し泣いているようでもあったが。
半年後、俺たちは無事に結婚式の日を迎えた。
完